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DeNA、初CSこそ挑戦者の立場で!
中畑氏が推奨する“イケイケ戦略”。
posted2016/10/07 11:30
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph by
NIKKAN SPORTS
球団として初めてのCSに臨むベイスターズ。
10年連続のCS進出となったジャイアンツ。
その経験の差、さらにリーグ順位を加味すれば、3位のベイスターズが“挑戦者”であることは言うまでもない。
野球に限らず、チャレンジャーの強みとは、「失うものはない」というある種の開き直りからくる積極性ではないだろうか。
もちろん慣れ親しんだ本拠地・東京ドームで戦えることはジャイアンツに利する。だが、下位チームにホームで負けるわけにはいかない、まして誇り高き“盟主”として満員の観衆の前で無様な姿を見せるわけにはいかないという意識は、一つのきっかけで焦りやプレッシャーという名の魔物に姿を変える可能性が潜んでいる。
そのきっかけとなりうるのはやはり、先制パンチだ。初戦の早い回に先取点を奪えば、短期決戦の主導権をいっきに掌握しうる。
社会人・東芝との練習試合では梶谷に送りバント。
9月29日にシーズン最終戦を戦ったベイスターズは、実戦感覚を維持する狙いも込めて、10月1日、3~5日と連日、社会人チームとの練習試合を組んだ。
なかでも注目を集めたのは、4日に行われた東芝との一戦だった。
この試合、初回に無死一塁とすると、2番の梶谷隆幸が送りバント。シーズン中はわずかに1犠打の打者にバントを命じた采配について、翌日の多くのスポーツ紙が紙面を割いた。
ラミレス監督は「シーズンとCSはまったく違う。どんな手段でも得点していく。得点圏に走者を進めて、1点を取れるか取れないか」(日刊スポーツ)と、サインの意図を説明したという。
ジャイアンツの1、2戦の先発は、菅野智之とマイコラスが予想されている。リーグを代表する好投手から確実に1点を奪うスモールベースボール。指揮官はそこにファーストステージの突破口を見出したということだ。