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DeNA、初CSこそ挑戦者の立場で!
中畑氏が推奨する“イケイケ戦略”。
text by
日比野恭三Kyozo Hibino
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/10/07 11:30
短期決戦ではラッキーボーイの存在は必須。ラミレス監督はどのような指針で初のCSに臨んでくるのか。
中畑氏は「スモール野球が気になる」と指摘した。
こうした報道に触れて、首をひねるのは前監督の中畑清さんだ。偶然にもこのタイミングで話を聞く機会に恵まれ、「ところでベイスターズはどうなりますかね」と水を向けると、熱っぽくこう語った。
「上の2チーム(カープとジャイアンツ)が戦いにくいと感じてるのがベイスターズだと思う。でもちょっと気になるのは、ラミちゃんがスモール野球をやろうとしていること。あれはやめた方がいいんじゃないかな。相手は“イケイケ軍団”のベイスターズがイヤなんだ。スモール野球をやるベイスターズは怖くないんだよ」
特に、バントを命じられたのが梶谷だったというところが気がかりなようだ。
「足がある梶谷がバントをすると、相手は『一つアウトをくれてありがとう』って感じになっちゃう。送りバントをしたって簡単には点は取れない。だったら、足を絡めて積極的に打って、それで失敗する方が相手はイヤだと思うんだ。それでダメだったら、ちゃんちゃん、でいい。そこまで割り切らなきゃ。だって3位でいくんだから怖いものなしだろ? 最高の条件はそこなんだよ」
シーズン最終盤、打線が好調だったのは事実だ。
イケイケでファーストステージ突破となれば、その勢いは広島につながっていく、と中畑さんは見る。
たしかに、シーズン最終盤のベイスターズ打線が好調だったのは事実だ。9月13日から最終戦までの11試合で、チーム打率は.268、本塁打は23本を数えた。シーズン平均では、チーム打率.249、本塁打はおおよそ1試合に1本ペース。9月だけで12発のホームランを量産したロペスを筆頭に、打ち勝っての7勝4敗フィニッシュだったことが分かる。
その傾向が顕著だったのが、奇しくもジャイアンツ戦だった。東京ドームでの23日の試合はロペスと筒香嘉智の各2本を含む6本塁打で12得点、横浜スタジアムでの24日の試合でもロペス、梶谷、筒香が1本ずつ、計3本のホームランが飛び出し、連勝を飾った。