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「大宮=アトレティコ」という仮説。
最後の一押しは、監督の黒シャツ!?

posted2016/10/03 12:20

 
「大宮=アトレティコ」という仮説。最後の一押しは、監督の黒シャツ!?<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

昨年J2優勝を牽引した“大宮のグリエスマン”家長昭博は今季もJ1で10得点。ハリルが会見で言及したこともあり、代表復帰はあるか!?

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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 大宮アルディージャはJ1復帰1年目ながら、クラブの歴代最高勝ち点を更新し、10月1日の鹿島アントラーズ戦では今季の目標だった勝ち点48を突破した。勝ち点50の大台に乗せ、まだ来季のACL出場権獲得の可能性も残している。そんな彼らの姿を記者席から見ていて、ある仮説を思いついたので、プレゼンさせていただきます。

『大宮アルディージャ、アトレティコ・マドリーに似ている説』

 比較対象は世界有数のビッグクラブだから、もちろん異論・反論はあるでしょう。ただ、この2クラブの戦術、個々の選手のプレースタイルや役割分担には共通している点が多い。

人垣ではなく、奪い取るためのブロック。

 チームの基本コンセプトは、堅守速攻。全体の陣形をコンパクトに保ち続け、中盤と最終ラインで守備ブロックを組み、まずは失点しないことを最優先とする。

 これだけ聞けば、消極的な戦い方のイメージを抱かれがちだが、大宮とアトレティコの守備は決して受け身じゃない。Jリーグで下位に沈むチームにありがちな、単に人垣を築いてゴール前を固める“なんちゃってブロック”ではなく、相手選手とボールがブロック内に侵入してくれば、強く・速く・激しく、体を寄せて奪い取ることを狙う。

 当然、自分の持ち場を離れて相手選手に食らいつくことが増えるため、スペースを与えるリスクはあるが、それを防ぐために選手全員にカバーリングの意識が徹底されている。鹿島戦後、空中戦と対人守備の強さで最終ラインを統率する“大宮のゴディン”こと菊地光将は、こう語った。

「今日は僕らセンターバックがサイドに釣り出される場面もあったけど、ボランチが連動してカバーしてくれた。だからこそ、ゴール前にスペースを与えなかったと思う」

 センターバックがサイドに食いつけば、すぐさまボランチが下がる。ボランチが外に出れば、逆サイドのボランチが絞る。このオートマティズムが徹底されているからこそ、彼らのブロックは堅い。

 ただし、大宮の守りはブロックを組んで相手を待ち受けるだけじゃない。

【次ページ】 家長とムルジャが高い位置でプレスを担当。

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