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G大阪を完全に粉砕した浦和の“右”。
駒井善成のドリブルは「やっかい」だ。

posted2016/10/04 11:00

 
G大阪を完全に粉砕した浦和の“右”。駒井善成のドリブルは「やっかい」だ。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

プラチナ世代の1人であり、宇佐美貴史がドリブルを絶賛したというエピソードでも知られる駒井善成。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 凄まじい破壊力だった。

 浦和レッズは、これまで昨年のリーグ戦、天皇杯決勝などここぞという大事な試合でガンバ大阪に苦汁を舐めさせられてきた。

 しかし、10月1日の試合ではそれまでの屈辱を晴らすような圧倒的な攻撃力で4-0とガンバを粉砕した。柏木陽介曰く「パーフェクトな試合」だったわけだが、その攻撃をリードしたのが浦和の“右”だった。

 右アウトサイドの駒井善成、右センターバックの森脇良太、右ボランチの柏木、右シャドーの武藤雄樹の4人が織り成す連動したプレーは見ていて楽しく、その攻撃力は半端ではなかった。4点中、先制点の高木俊幸、3点目の宇賀神友弥のゴール、4点目のズラタンのゴールは右からの崩しから生まれ、2点目の武藤のゴールは右サイドからのミドルシュートだった。

ガンバは駒井のドリブルにDFラインを下げられた。

 浦和の右で脅威の軸になっていたのが、駒井だ。

 右アウトサイドで高いポジションを取り、ボールが入るとドリブルで仕掛ける。無闇に突っ込むのではなく、先制点のように柏木が横に来てフリーなのを見てパスを出し、ゴールの起点になった。

「あれは練習で出せていた形だったんで、狙い通り美しい崩しでした」

 満足そうな表情を浮かべた駒井だが、その先制点でスイッチが入ったように、キレキレのプレーを見せた。「これでもか」というぐらい仕掛けつづけ、ガンバの守備陣に深刻なダメージを与えたのだ。

 例えば1点目のシーン。

 ガンバはボールラインにラインを設定するので、駒井のドリブルで押し込まれるとラインを下げざるをえなくなった。

 藤春廣輝は背後の武藤の動きを警戒しながら、駒井とは距離を置いていた。本来ならボランチと挟み込むか、あるいは武藤をボランチに任せてスライドして駒井の対応に行きたかったが、それができなかった。

【次ページ】 対峙した藤春を疲労困憊に追い込んだ仕掛け。

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