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球史に残る偉業が生まれつつある……。
“二刀流”大谷翔平の圧倒的な数字。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNanae Suzuki

posted2016/09/29 16:45

球史に残る偉業が生まれつつある……。“二刀流”大谷翔平の圧倒的な数字。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

投打に常識外れの活躍を見せる大谷翔平。球史において、間違いなく破格の存在、すでにして生きる伝説と化したか。

金田正一を抜いて、投手の通算本塁打数記録を更新中。

 このソフトバンク追撃に大きく貢献したのが打者・大谷だ。

 15連勝したときの成績は打率.389という高率で、先発投手を務めた6月26日のオリックス戦は指名打者制のパ・リーグでありながら「5番・投手」、7月3日のソフトバンク戦は「1番・投手」に入り、3打数1安打、2打数1安打の成績を残し、投手としてはオリックス戦が7回無失点、ソフトバンク戦が8回無失点という快投を演じている。こういう選手はちょっと記憶にない。

 今季20号ホームランを打った時に、通算本塁打数は38本になり、これは投手の通算本塁打数としてはプロ野球記録と並ぶこととなった(9月29日現在は22本。通算40本)。それまでの記録保持者・金田正一氏は「ピッチャーで登板して打ったホームランと、DHで打ったホームランと区別して発表しなさいよ。中身が違う」と自分のホームラン記録のほうが価値が高いと異議を申し立てたが、ピッチャーの余技として打席に立つ選手と、指名代打として確実な成果を期待されて打席に立つ選手とでは、それに対する投手の心構え、本気度が違う。

 もちろん、大谷の記録のほうが価値が高いと思う。

打者に専念した2カ月間は、圧倒的な打撃成績に!

 7月10日のロッテ戦で右手中指の皮がむけて途中降板してから約2カ月間はほぼ打者に専念した(投手としてはこの間、2試合3イニングの登板にとどまる)。

 それまでの打撃成績は打率.341(安打42)、本塁打10、打点27。

 こういう立派な成績を残した選手に対する攻めが厳しくなるのは当然で、一刀流になった当初の3試合(7/12~18)は11打数2安打1打点と苦戦する。

 しかし、一刀流の助走期間を終えた7月20日から9月11日までの40試合、大谷のバットは154打数50安打33打点、打率.325と好調で、ホームランは12本を数えた。

 二刀流に戻った9月13日以降も打撃は好調を維持し、1ゲーム差で首位だった9月25日の楽天戦では8回裏に同点打を放ち、延長11回には先頭打者として二塁打を放ち、三塁に進塁したのち相手投手の暴投でサヨナラのホームを踏んでいる。

【次ページ】 勝ち試合では必ず大谷の打撃が寄与している。

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