野球のぼせもんBACK NUMBER
日本ハムと3差、8月週末は天王山続き。
SB逃げ切りへ大隣憲司の左腕は唸るか。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/08/02 07:00
過去3シーズンで挙げた通算勝利数は11にとどまるが、大舞台に“強くなった”大隣の存在はソフトバンクに欠かせないはずだ。
中軸以上に気になる存在は“うるさい”西川と中島。
多くの打点を稼いでいるのは中田、レアード、陽といった右打者だが、中田は左投手を苦手にしていることが分かる。しかし、ファイターズ打線を封じるカギは、中軸以上に西川や中島といった脇を固める打者たちに仕事をさせないことだ。
ふたりはとにかく“うるさい”タイプだ。塁に出せば、どんどん走ってくる。パ・リーグ盗塁ランキングで西川が3位の24個、中島は4位の19個と数字も証明している。彼らだけでなくチーム全体としてもファイターズはよく仕掛けてくる。
次は、ソフトバンクと日本ハムの直接対戦でのチームデータだ。
盗塁:ソフトバンク9個、日本ハム18個
安打:ソフトバンク141本、日本ハム138本
得点:ソフトバンク58点、日本ハム72点
本塁打:ソフトバンク14本、日本ハム22本
ホームランを防ぐ以上に出塁を許さないことが先決。
安打数ではホークスがやや上回っているが、得点はファイターズが10点以上も多い。もちろん、ホームラン数の多さもあるが、盗塁成功数は、地道に相手にダメージを与えた差でもある。ならば、被本塁打を防ぐよりも、まずはいかに出塁を許さないかを考える方が先決ではなかろうか。
また、大隣を挙げた理由はもう一つある。
大一番で勝ってきた経験値だ。