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リオ五輪ロスからどう立ち直る?
新なでしこ、新たな船出の北欧遠征。
text by
日々野真理Mari Hibino
photograph byMari Hibino
posted2016/07/21 17:00
スウェーデンの広大な空の下、練習に汗を流した横山久美と永里優季。新チームの核となれるか?
ベテランとしての永里優季は、何を思う?
16歳から代表入りして、29歳になった今年、既に代表13年目をむかえた彼女は今、「時間がない」ということを強調している。
なでしこジャパンが次に狙う世界大会は、3年後の2019年ワールドカップ、そして4年後の東京五輪。
準備期間は、ここから3年――
「“まだ3年ある”ではなく“3年しかない”と思っています。3年なんてあっという間に経ってしまうから、時間がない。特にチームが集まれる機会もそう多くはないわけだから、こういう1回1回の遠征で一緒にできる時間を大切にして、しっかりチームを作らなくては間に合わないし、タイトルは狙えないですから」
新しいメンバー全員の、能力の底上げを図りたい。
貴重な時間でもある今回の遠征では、「新メンバーとのコミュニケーション、チーム全体の底上げ」をテーマに挙げている。
「新しいメンバーのスタンダードを引き上げることが、チーム強化につながるし、私たちの役割だと思っています。新メンバーに対しては、課題をはっきりさせること。そして、単に本人がそれを乗り越えるのを待つだけではなく、アドバイスをしながら、答えを提示して、その成長スピードが上がることをサポートしなければならない。パターンをしっかり作っていかなければいけない。ひとりひとりができることを増やしていかないといけない。
それぞれが持つ個を大切にしながら、課題を見つけ、いかにそこに向きあわせて、代表レベルに引き上げていくかということ。常にその意識は、対アメリカや、対ドイツ、フランスといった世界のトップと戦った時、そのレベルにどう通用するか。目指しているのはそのレベルなわけで、その基準でやっていかないといけない。
アメリカ遠征に続いて、今回のスウェーデンもそう。このレベルのチームとやれる貴重な機会こそ限られているし大切にしなくてはいけません」
まさに永里の言う通り、時間は限られている。