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遠藤航、ダービーで悔やんだ2失点。
リオで必須の「ふとした時の集中力」。
posted2016/07/20 17:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
浦和レッズの背番号6は、もやっとした思いを表情に貼り付けていた。
7月17日に行なわれた大宮アルディージャとの“さいたまダービー”は、2-2のドローに終わった。2度のリードを守り切れず、リーグ戦の連勝は「5」で止まった。
3バックの中央を務めた23歳は、前半アディショナルタイムの失点を悔やんだ。ヘディングシュートを決めた相手FWは、彼がマークしていた選手だからである。
1-1となる同点弾を決めた江坂任は、チームメイトとの連携でスペースを確保した。「それまで何回かCKがあって、遠藤選手のマークを外すのが大変だった。あの場面は河本(裕之)さんをうまくカベに使って、フリーになることができました」と話す。アルディージャのコンビネーションが、レッズのディフェンスを打ち破ったと言っていいシーンだ。
だとしても、マークを外されたディフェンダーは納得できない。
「最後は自分がしっかりついていかないといけない。以前から何度も話してますけど、セットプレーは個人戦術なので」
長身の外国人選手は激しくクリーンな守備で封じた。
失点を招いたこのシーンを除けば、パフォーマンスは悪くなかった。「後ろでしっかりボールを動かすところと、勝負のパスを入れるところの判断をしっかりしたい」と話していたとおりに、前半からタテパスをスパンスパンと通していった。後半は攻撃のスイッチを入れる頻度がスパンになったが、変化の理由はFWの動きかたにある。移籍1年目でレッズに不可欠な選手となったこの日本代表は、最終ライン中央で戦況に見合ったプレーを選択していた。
後半はむしろ、ディフェンスの局面で存在感を発揮した。時間の経過とともにオープンな展開となっていく中で、61分から出場した元セルビア代表で187センチのドラガン・ムルジャを、チームメイトとの連携でしっかりと封じた。前半からマッチアップした元スロベニア代表で189センチのネイツ・ペチュニクにも、ゴールを許さなかった。ともに長身FW相手にボール際で激しく、かつクリーンにプレーする持ち味を、しっかりと表現したのである。