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「遠藤航の相方選び」は大島僚太!
代表発表前最終戦で見せた存在感。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byShidu Murai

posted2016/06/30 11:20

「遠藤航の相方選び」は大島僚太!代表発表前最終戦で見せた存在感。<Number Web> photograph by Shidu Murai

キャプテンマークを巻いて、遠藤のいないチームを操った大島僚太。当落線上だった時期は完全に脱したといえる。

遠藤「もうちょい奪った後、早く前につけても」

 その後、後半6分に交代するまで大島は存在感を示し続けた。原川、井手口、そして橋本拳人らが「違い」を見せることができなかった中、大島が結果を出したのだ。

 しかし、大島は南アフリカ戦でのプレーにも今の自分のプレーにも満足していない。

「攻撃も守備も課題があります。攻撃ではこのチームは縦に速いサッカーをするので、よりワンタッチの精度や前に早い選手がいるので見逃さないということです。守備では球際だったり、より声を出して指示するとかですね。ただ、チームにはずば抜けた存在がいない中、南アフリカ戦はチームとしていかに90分戦うのかというのができていたと思うし、声を出しあうなどまとまりが出てきたので良かったと思います」

 今回、左肘のケガのためにベンチで大島のプレーを見ていた遠藤は、「1点目の時のようにタイミングよく点に絡んでいくプレーがよかった」と評価しつつ、「もうちょい奪った後、早く前につけるプレーがあってもいいかな」と注文もつけた。チームが勝つために大島にも他の選手にもどんどん要求していくという遠藤だが、実はボランチでコンビを組む相手への接し方として、徹底していることがある。

「自分はコンビを組んだ時、自分が主導してやりやすいようにするというよりは、相方の選手の特徴を考えて、相手がやりやすいように自分がどうすべきかを考えます。ボランチは周囲にうまくあわせられないといけないポジションだと思うんで」

 その考えを当てはめると、大島の攻撃力を生かして遠藤が後方支援に回る感じだろうが決して守備一辺倒というわけではない。ボールを奪い、素早く前へパスを出して攻撃していく。あるいはショートやミドルレンジの縦パスを足元やスペースに入れていく。最終予選の時、効果的だったプレーを織り交ぜながらうまく攻守のバランスを取るはずだ。

 遠藤+大島は、若干タイプは異なってもA代表の長谷部誠+柏木陽介のダブルボランチに近い感じになるだろう。

体は小さいが、肝っ玉は据わっている。

「僕は、できることがそんなに多いわけじゃないんで、組む相手によってやることはそんなに変わらないと思います。誰と組んでも自分が伸び伸びできるというか、チームが勝つためにできることをやるだけです」

 大島は謙虚にそう言ったが、南アフリカ戦ではプレーで雄弁に自分の攻撃能力の高さと存在の大きさを語ってくれた。

――メンバー発表までやり残したことは?

「ないっすね。メンバー発表の時は移動中なんで寝ていると思います」

 体は小さいが肝っ玉は据わっている。

 同世代だけで戦うラストゲームでようやく整ったボランチのコンビは、U-23日本代表の攻守の生命線という重要な役割を担うことになる。

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