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主役交代の下剋上なるか! 清武に求められるあと一押し。~長らく中心メンバーが変わらない代表に波乱を~
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byGetty Images
posted2016/06/28 10:00
代表では3試合ぶり通算3点目のゴール。敗戦にうつむいたが、得点には「イメージ通り」。
ボスニア・ヘルツェゴビナに逆転負けを食らい、2位に終わったキリンカップ。試合を終えた清武弘嗣は、ピッチ上でしばらくの間、両ひざに両手を置いて顔を上げようとしなかった。
本田圭佑、香川真司がケガでベンチにとどまるなか、攻撃の中心を担うトップ下で先発。宇佐美貴史のラストパスに左足で合わせて先制ゴールを挙げながらも、チームは追加点を奪えずに敗北を喫した。
「もっと点が取れたのは事実。決め切れなかったのは残念ですね」
取材エリアで見せた色のない表情が、悔しさの度合いを物語っていた。
周りの良さを引き出しながら、自分を出していくのが彼の特長。この日も左サイドにいる宇佐美のタメをうまく活かし、後半に入ると裏を狙う右サイドの浅野拓磨を常に気に掛けていた。味方の武器と武器をつなぐ意味での“リンクマン”として、良い働きを見せたとは思う。しかし勝たなければ何の意味も持たないのだと、その顔には書いてあった。