欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
盤石なのはフランスとイングランド。
EURO最新チーム状況を整理する。
text by
遠藤孝輔Kosuke Endo
photograph byPanoramiC/AFLO
posted2016/06/10 07:00
フランス代表の突破力を支える1トップ、オリビエ・ジルー。6月4日の国際親善試合スコットランド戦では2ゴールを記録。
台風の目になりそうなウクライナとトルコ。
第2集団以下で上々の仕上がりを見せているのはウクライナとトルコ。
前者は2枚看板のヤルモレンコとコノプリャンカがゴールにアシストと躍動し、5月29日にルーマニア、6月3日にアルバニアと、EURO出場国を撃破した。
後者は5月22日にイングランドに惜敗したものの、その後のモンテネグロ、スロベニア戦で1-0の勝利。守護神のボルカン・ババジャンが当たりまくっているうえ、コンディションが危惧された主砲ブラクが昨年9月以来のゴールを決めるなど個々の状態の良さが目立つ。
ギリシャの'04年大会制覇をはじめ歴史的に波乱の多いEUROで、両国が台風の目となってもなんら不思議はない。
攻撃陣好調のベルギーと守備自慢のイタリア。
開幕直前のチーム状態 ○(まずまず良好)
ベルギー、イタリア、北アイルランド、スウェーデン、クロアチア、スロバキア、ポルトガル
ベルギーの不安は後方だ。主将コンパニの負傷離脱に伴い、そもそも盤石ではない守備のクオリティーが下がっている。6月5日のノルウェー戦ではDFラインが何の変哲もないパスやドリブルに翻弄され、あっさりと2ゴールを奪われた。1トップのR・ルカクが2016年のテストマッチ4試合すべてで得点を記録し、崩しの切り札であるアザールとデブライネも好調の攻撃陣に不足はないだけに、守備陣の出来が躍進を左右しそうだ。
そのベルギーとグループリーグの初戦でぶつかるイタリアは、5月29日のスコットランド戦、6月6日のフィンランド戦できっちり完封勝利。結果を残したものの、気がかりは攻撃陣のクオリティー不足で、どちらの試合でもラストパスやシュートの精度を欠く場面が相次いだ。
CBバルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニ、守護神ブッフォンのユベントス4人衆で固める自慢の守備ブロックを拠り所に、手数をかけない速攻に持ち込むのが身の丈に合った戦い方か。言い換えれば、カテナッチョへの原点回帰がポイントとなる。