球道雑記BACK NUMBER
なぜ唐川侑己の輝きは消えたのか?
復活期すロッテのエース候補は今。
text by
永田遼太郎Ryotaro Nagata
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/06/06 16:20
2011年の12勝を最高に、翌年から8→9→4→5と過去5年間で、防御率ともにずっと低迷している唐川。
「今は上手くハマっていないだけなんで……」
唐川は言う。
「(投球が)しっくりこないことは長いシーズンを戦っていればよくあることですし、その中で今はしっくりきていないだけ。根本的に(悪い)という感じではないです」
この2試合、結果こそ出てはいないが、昨年幾度かファーム行きを言い渡されていたころに比べると内容はだいぶ違う。
彼はさらに言葉を続ける。
「やっていることを変える必要はないと思っています。それが今は上手くハマっていないだけなんで……。自分の中で当然チェックポイントはありますし、そこを一個ずつハメて行く作業です。それは普段のピッチング練習やキャッチボールの中でやっていますし、試合の中でそんなことやっている場合じゃないのも分かっているので……」
応援しているファンにはあともう少し信じて待ってほしいという他ない。
首位との差は7.5まで広がっている。
取材中、彼は「結果がほしい」「結果を出すしかない」という言葉を何度か繰り返した。誰に言われなくても彼本人が、自身のおかれた立場を一番分かっている。そう言いたげだった。
6月5日現在、首位福岡ソフトバンクとのゲーム差は今季最大の7.5まで広がった。
開幕ローテーションを務めたジェイソン・スタンリッジ、大嶺祐太は現在、ファームで再調整中。開幕から5連勝と好調な滑り出しを決めた涌井秀章も、打線の援護がもらえずこの1カ月は勝ち星から遠ざかっている。