球体とリズムBACK NUMBER
あまりに惜しい強豪同士の潰し合い。
欧州CL16強で、あのチームが消える!?
posted2015/12/15 12:00
text by
井川洋一Yoichi Igawa
photograph by
AFLO
パリ・サンジェルマン、ユベントス、アーセナルをどこが引き当てるのか──。
今季のチャンピオンズリーグ(CL)・ラウンド16抽選会の焦点はこの3つに絞られていた。莫大な資金を持つフランス王者、昨季のファイナルで涙を飲んだイタリアの名門、16シーズン連続で決勝トーナメントに進出したロンドンの雄は、いずれも2位でグループを突破しており、首位で勝ち抜けたクラブとすれば、この段階での彼らとの対戦は避けたかったはずだ。
首位通過したなかでは比較的規模の小さいヴォルフスブルクやゼニトがこの3チームのいずれかと戦うことになれば、クライマックスにさらなる興趣が添えられる、と考えたファンもいたかもしれない。おいしいものは後にとっておきたいと思うのが、人情というものだろうから。
しかし、そうはならなかった。いきなり複数のビッグカードが実現した一方、決勝トーナメント初出場同士の対戦も組まれたのだ。
2月に再開される欧州トップ戦線は、10カ国からの16チームによる国際色豊かな争いとなる。注目度の高いカードから順に、8つの対戦をおさらいしていきたい。
契約最終年、グアルディオラの野望は。
ユベントス対バイエルン(第1戦:2月23日、第2戦:3月16日)
クラブの格、実力、現在の調子のすべてにおいて、ラウンド16随一のカードと言って差し支えなく、バイエルンの主将フィリップ・ラームは「ヨーロピアン・クラシックだ」と発言。両者の最近の対戦は'12-'13準々決勝で、この時はバイエルンが2試合とも2-0で勝利し、そのまま頂点まで駆け抜けている。
その翌シーズンに就任したバイエルンのジョゼップ・グアルディオラ監督としては、契約最終年となる3年目の今季、是が非でもクラブに6度目の欧州制覇をもたらしたいところだ。変幻自在のシステムと硬軟自在のスタイルで国内外で圧倒的な強さを示すチームは、ミラノでの決勝を見据えている。そのサン・シーロで最後に行われた'00-'01決勝でビッグイヤーを掲げたのもバイエルンだ。
昨季のファイナリストであるユベントスは、今オフに昨季までの主軸(そのうちの一人、アルトゥーロ・ビダルはバイエルンへ)が抜けた影響で、国内での序盤戦は苦しんだが、CLでは好調を維持。マンチェスター・シティに2勝しながらも、最終節の敗北が響き勝ち点1差で2位通過となった。ここにきてリーグ戦でも調子が上向き、目下6連勝中。パウロ・ディバラやポール・ポグバといった欧州屈指の若手がアップセットを目論む。