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レアル、バルサの怪我人が多すぎる!
故障の4原因に、タイトル後遺症も? 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2015/10/15 10:40

レアル、バルサの怪我人が多すぎる!故障の4原因に、タイトル後遺症も?<Number Web> photograph by AFLO

ロナウドを抑え、今季の得点ランクトップを走っていたベンゼマの離脱はレアルにとって大きな痛手だ。

UEFAの責任者が挙げる、故障の4つの原因。

 CL出場チームを対象に'01年から故障調査を続けているUEFAの昨季のレポートによると、1チームに発生する故障の平均回数は1シーズン約41回だ。骨折から靱帯・筋肉の損傷や歯に関するものまで全てを合わせての数字なので、そのまま参照するわけにはいかないものの、マドリーの現在のペースが危機的であることは間違いない。

 ケガの一般的な原因として、UEFAの故障研究グループの責任者ヤン・エクストランドは次の4つを挙げている。

・練習の量(オーバーワーク)
・監督のリーダーシップ(不適切な指導)
・チーム内のコミュニケーション(テクニカルスタッフとメディカルスタッフ間の連絡不足)
・選手の健康(肉体面だけでなく精神面やチーム内の人的関係面をも含むコンディション)

 いまある情報だけでははっきりしないが、これらの1つか2つ、あるいは全てが今季のチームには当てはまるのだろう。

 '14-'15シーズンも多くの故障者を出し、それが無冠に繋がったと考えたマドリーは、去る6月、10年以上前からチームを支えてきたフィジカルトレーナーや理学療法士をまとめてクビにして選手の反感を買っている。そんな心理的な不調和もマイナスに働いているのかもしれない。

バルサもレアルに劣らぬペースで怪我続発中。

 ところで、ケガが多いといえば今季はバルサもそうだ。

 8月下旬の開幕以降、1試合以上欠場を余儀なくされたのはアウベスにブラボ、ベルメーレンにサンドロにアルバ。ラフィーニャは手術を要する重傷を膝に負い、メッシはそれほどではないけれど全治7週間から8週間。イニエスタは大腿部の肉離れで4週間から6週間……。

 発生ペースはマドリーと変わらない。

 違いは、バルサの場合は故障者続発を予見することができ、スタッフは予防に努めていたはずということだ。

【次ページ】 おかげでリーガの序盤戦は面白い混戦に。

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