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アジアのトップストライカーがJに凱旋!
鄭大世が見せる5年分の苦悩と成長。
posted2015/07/19 10:50
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph by
Getty Images
“アジアのトップストライカーのJリーグ帰還”
そう定義してもいい。
7月9日にKリーグ水原三星(スウォン・サムソン)から清水エスパルスへの移籍が正式発表となり、2010年以来のJリーグ復帰を果たした31歳のFW鄭大世(チョン・テセ)のことだ。
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14日の入団会見後の報道では、彼のこの言葉がメディアを飾った。
「経験と能力でチームを助けたい」
そこには明確な根拠がある。
2013年から2シーズン半を過ごしたKリーグ・スウォンでの絶頂期に決めたJリーグ復帰。契約期間を半年残しての移籍だった。現在、首位に勝ち点7差で2位につけるチームのソ・ジョンウォン監督は「はっきり言って代役はいない」と、シーズン途中の離脱に頭を抱える。
韓国で手にした賞賛の裏には苦悩があった。
韓国有数のビッグクラブに残した足跡は、リーグ戦出場72試合23ゴール。
特に今季は、6ゴールという数字以上に好調ぶりが際立っていた。
4月18日にはKリーグ最大のビッグマッチで「ナショナルダービー」と言えるソウル戦で2ゴール2アシストの活躍。リーグが選定する週間MVPに選ばれ、自身「生涯最高のプレーができた」と口にした。これを含め、国内リーグでは全22試合中21試合に出場し、リーグが選ぶ週間ベストイレブンに4度名前を連ねた。直近では7月8日の週にも選定され、この試合で決めた後方からの浮き球を絶妙なファーストタッチでコントロールしたゴールは週間ベストゴールにも選定された。
シーズン序盤に戦ったアジアチャンピオンズリーグでも、7試合に出場しチームトップの3ゴールを挙げている。韓国代表に復帰したベテランのレフティ、ヨム・ギフンとの絶妙なコンビネーションは「ヨム・テセ」と呼ばれた。7月上旬に移籍報道が報じられるや、練習場にはサポーターが別れを惜しむ横断幕を貼りだした。移籍決定後、国内メディアは「(契約延長のオファーを出さなかった)スウォン、自ら首を絞めて導いた危機」とすら報じた。
これらの評価も、大いなる苦悩を乗り越えて得たものだった。