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アジアのトップストライカーがJに凱旋!
鄭大世が見せる5年分の苦悩と成長。
text by
吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byGetty Images
posted2015/07/19 10:50
韓国でのイベントにて赤ん坊を抱いて登場した鄭大世。プレーの質を決定的に変えるキッカケとなった、自慢の息子だ。
フィジカルの強さがJリーグでは武器になる!
変化の「副産物」として、韓国国内ではこんな評価も受けた。
6月、現地メディアがKリーガー200人対象に行ったアンケートのうち、「最も守備を頑張るFWは誰?」の項目で1位に輝いたのだ。鄭大世本人もSNS上で「まさか自分にこんな日が来るとは」と喜んだ。
“暴れ馬”が、韓国の地で強い相手とぶつかりあい、家庭への愛を知った。
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その結果、他者への配慮という感情を持った。
この男、あくまで動物的――鄭大世の韓国での足取りを表現すると、こういったところだろうか。
今回の移籍を決定した背景も、「スウォン側がしっかりと契約延長を提示してこなかったこと」のほかに、「日本の家族に自分のプレーを見せたい」という感情と、「クラブが高い評価をしてくれたことに応えたい」という動物的感覚があるように思える。
だからこそ、再び立つ日本では「うまく暴れる」だろう――そんなことを感じさせる証言が今季開幕直後にあった。2月25日、ACL初戦で浦和レッズをホームに迎え、2-1で勝った後のことだ。
「僕がフィジカルの強さで勝負できる、っていうのは韓国ではあんまりないんですよ。でも浦和相手にはそれが通用した。僕、もしかしてJリーグのほうが合っているんじゃないかなと思ったりもするんですよね!」
「清水エスパルスの鄭大世」としてのデビューは、19日のホーム戦を予定していたがずれ込み、早ければ25日に行われるアウェーの川崎フロンターレ戦でJリーグのピッチを踏むことになりそうだ。