スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
本命の低迷と穴馬の大躍進。
~インディアンスとアストロズの明暗~
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph byAFLO
posted2015/05/16 10:40
オークランド・アスレチックス戦で、3ランホームランを打ったホゼ・アルトゥーヴェ(中)を祝福するマーウィン・ゴンザレス(左)とクリス・カーター(右)。
打率が低く、三振が多く、一発が多い打者たち。
彼らの共通点は、打率が低く(2割前後)、三振が多い(カーターは大リーグ記録を更新するかもしれない)ことだ。だが、彼らには一発がある。3打数2三振1本塁打、とか4打数2三振1本塁打とかいった数字が示すとおり、彼らはゲーム終盤の一発で接戦をもぎ取ってきた。あとは、この勢いを安定した力に変えられるかどうかだ。
そのために必要なのは、やはりブルペンの強化だろう。ウィル・ハリスやトニー・シップが好調の中継ぎ陣にはあと1~2枚駒が欲しいし、抑えのルーク・グレガソンがもう少し三振を取れるようなら、ゲーム終盤の安定感はかなり増すにちがいない。いずれにせよ、長く低迷してきた弱体球団が、若手の成長で様変わりを見せてくれるのは胸の躍る光景だ。今季も来季も、アストロズには注目していきたい。