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<真相究明レポート>
井口資仁/岩村明憲「日本人内野手はメジャーで通用しないのか?」 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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posted2015/05/19 06:00

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岩村明憲(左)、井口資仁。

近年、内野でレギュラーの座を掴んだ日本人選手が途絶えている。巷間言われるように、身体能力の差は埋めがたいものなのか。実績を残した2人の選手とスカウトの証言から、真相を探る。

 野茂英雄が海を渡った以降の20年間に、全部で55人の日本人メジャーリーガーが誕生し、ポジションで最も多いのは投手の40人となる。野手ではイチロー、松井秀喜の特A級選手を含めて粒揃いなのが外野手だ。ところがこうした投手、外野手に比して、なかなかうまくいかないのは内野手だというのが昨今は定説となりかけている。

 このポジションで過去に成功したのは松井稼頭央、井口資仁、岩村明憲の3人ぐらい。トロント・ブルージェイズとマイナー契約する川崎宗則も、メジャーとマイナーをいったりきたりする現状では成功したというのは難しいところだろう。また、ほとんど実績を残せずに日本に戻ってきた選手としては中村紀洋、西岡剛、近いところでは中島裕之や田中賢介の名前が思い浮かぶ。

 昨オフには阪神の鳥谷敬がメジャー移籍を希望してフリーエージェント権を行使したが、結局、どの球団とも契約に至らず、残留を決めた経緯もあった。

 この一件は「日本人内野手はメジャーでは通用しない」という論調に拍車をかける結果となったが、果たして本当に日本人内野手は通用しないのだろうか?

 そのことを検証するために、まずは鳥谷をメジャーのスカウトがどう評価したのかを聞いてみる必要があった。

「鳥谷は打撃は平均レベル。守りに関しては甲子園球場を本拠に土のグラウンドで守っているので前に出ることもできるし、難しい体勢からでも送球できるバランスを持った選手という評価でした」

 こう語るのは、匿名を条件に話を聞いたあるMLB球団の日本担当スカウトだ。

「ただ、本人はメジャー契約を希望していた。そのためチームはショート、セカンドのメジャー枠を一つ空けなければならない。力だけでなく年齢的なことを含めて考えると、そこが厳しいところでした。川崎はマイナー契約で、どんな状況でもチームのオーダーにフィットしようと努力して、自分の場所を作れた。その違いは大きいですね」

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