最後の直線入り口、ドゥラメンテにアクシデントが！

　ラスト600mを切り、4コーナーを回りながら、サトノクラウンが大外をマクるように上がっていった。

　直線入口、逃げるクラリティスカイにもまだ手応えが残っている。外からキタサンブラックが並びかけ、さらに外からリアルスティールが脚を伸ばす。

　そのとき、アクシデントが起きた。

　後方の内にいたドゥラメンテが、馬6、7頭ぶんも横滑りするように、急激に外にふくらんだのだ。ベルラップ、ダノンプラチナ、タガノエスプレッソらの前をカットし、大外からスパートをかけようとしていた僚馬のサトノクラウンをも、あわや弾き飛ばすほどの勢いだった。

「初めての右回りだったし、ファンの人たちの声援を馬が怖がってしまった。ぼくもびっくりしました」とデムーロ。

一頭だけ別次元の末脚で伸びてきたドゥラメンテ。

　その5馬身ほど前では福永のリアルスティールがクラリティとキタサンをかわして先頭に立ち、ラスト200mを通過した。

「キタサンブラックがもう少し頑張るかなと思っていたが、自分の馬が早めに先頭に立ってしまった。ちょっと上手くいきすぎてしまった感じですね」と福永は言う。

　リアルスティールに、ブライトエンブレムとミュゼエイリアンが追いすがる。が、その外から、一頭だけ別次元の末脚で伸びてくる馬がいた。ドゥラメンテだ。ラスト100mあたりでリアルスティールに並びかけた、と思ったら、もうかわしていた。最後の5、6完歩は追わずに流すようにして、2着に1馬身半差をつけてフィニッシュ。曾祖母ダイナカール、祖母エアグルーヴ、母アドマイヤグルーヴにつづく親仔4代GI制覇という偉業を達成した。

　勝ちタイムは1分58秒2。上がり3ハロンは33秒9。2番目に速かったリアルスティール、サトノクラウン、ダノンリバティの34秒5よりコンマ6秒も速かった。

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