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斜行が逆に爆発力を強調した皐月賞。
ドゥラメンテ、ラスト100mは衝撃の脚。
posted2015/04/20 11:25
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
こんなに強い馬がいたとは、驚いた。ラスト100mほどの末脚は、まさに他馬が止まって見えるほどの鋭さだった。
第75回皐月賞(4月19日、3歳GI、中山芝2000m)を制したのは、無敗の重賞勝ち馬でもなければ、初制覇を狙ったディープインパクト産駒でもなく、それまで東京芝1800mばかりを4戦して2勝2着2回のドゥラメンテ(牡、父キングカメハメハ、美浦・堀宣行厩舎)だった。
ゲートがあき、15頭の出走馬が飛び出した。ダッシュのよかったワンダーアツレッタを、スプリングステークスの勝ち馬キタサンブラックがじわっとかわしていく。それらをクラリティスカイが外から追い越してハナに立ち、1コーナーへと入っていった。
「行く馬がいなければ逃げようと思っていましたが、行く馬がいたので控えました」と鞍上の浜中俊が言うキタサンブラックは、クラリティスカイを2馬身ほど前に見る2番手におさまった。
前の馬にも後ろの馬にもチャンスのある流れに。
2コーナーを回ってもクラリティスカイが単騎で逃げ、キタサンブラック、ワンダーアツレッタ、スピリッツミノルがつづき、その直後に2番人気の福永祐一・リアルスティールがつけている。「ゲートを出たなりで、前で競馬をしようと思っていた。いいところをとれて、終始上手に走っていました」と福永。
その外にコメート、後ろに掛かり気味の2歳王者ダノンプラチナ、内にミュゼエイリアン、ブライトエンブレムらがいて、外からベルラップがポジションを上げていく。
スタートがよくなかった1番人気のサトノクラウンは後方の外目。ミルコ・デムーロが乗るドゥラメンテも後方につけ、内で脚を溜めている。
1000m通過は59秒2。前週の桜花賞のような超スローではない。かといって、馬群が縦長になるハイペースでもなく、前の馬にも後ろの馬にもチャンスのある流れだ。
3コーナーに入るとペースが上がり、馬群がぎゅっと固まった。先頭から最後方まで8馬身か9馬身ほどしかない。