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斜行が逆に爆発力を強調した皐月賞。
ドゥラメンテ、ラスト100mは衝撃の脚。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/04/20 11:25
最後の直線、異次元の脚で伸びてきたドゥラメンテ。勝利を確信したデムーロはゴールを待たずに「4勝目」を意味するポーズを見せた。
鞍上デムーロには、ネオユニヴァース以上の手ごたえが。
2003年ネオユニヴァース、'04年ダイワメジャー、'13年ロゴタイプにつづき、歴代単独トップの皐月賞4勝目をマークしたデムーロは、ゴールするとき、左手の指を4本立てて喜びを表現した。
「嬉しい、夢みたい。追い切りで乗ったときから、ネオユニヴァースに似ていると思っていました。追い切りのときはテンションが高かったけど、きょうはいい感じでした」
皐月賞とダービーの二冠を制したネオユニヴァース級のものを感じるのかと問われると、「すごく強い馬。ネオユニヴァースは皐月賞で頭差だったけど、この馬は何馬身(実際は前記のように1馬身半)も」と、それ以上の手応えを得ていることを匂わせた。
今後はダービーに向かい、凱旋門賞に登録も。
なお、デムーロは、4コーナーでの斜行により、3頭の進路を狭くしたとして、4月25日から5月3日まで9日間の騎乗停止となった。
2着はリアルスティール。ディープ産駒による皐月賞初制覇はお預けになった。
3着にはキタサンブラックが粘り、内から伸びたブライトエンブレムが4着。
1番人気のサトノクラウンは6着だった。手綱をとったクリストフ・ルメールは、「道中はリズムよく走ることができたが、4コーナーで他馬に押されて外に出された。そこで勝つチャンスを失ってしまった。ダービーの舞台は向いている馬なので、次は頑張りたい」と残念そうに語った。
ドゥラメンテの馬主であるサンデーレーシングの吉田俊介代表によると、今後はダービーに向かい、10月4日の凱旋門賞にも登録するという。
難しいが、爆発力はとてつもないというあたり、あのオルフェーヴルとイメージが重なる。楽しみなヒーローが誕生した。