「シティの選手までがメッシのプレーを楽しんでいた」

　カンプノウも同じだ。前半30分の時点で、観客は「メーッシ！」とコールを始め、試合というよりもエースのプレーを楽しんでいた。

　試合後、メッシは「今は最高のコンディションだし、プレーを楽しんでいる」と自信をみせた。

　ルイス・エンリケは「このレベルのメッシを見られるのは喜びだ」とし、決勝点を決めたラキティッチも「シティの選手までがメッシのプレーを楽しんでいた」と手放しで褒めている。

後半、バルサの抱える不安が浮き彫りに。

　エースのコンディションが整ったのは終盤戦にむけ大きなプラスだが、不安も浮き彫りになった。

　それは後半に露呈した。

　メッシを中心にチャンスを作ったバルサだが、結果的に得点は1点のみに終わる。シティのGKハートが好セーブを連発したことが理由で、チャンス自体は多く作れているだけに、攻撃に特に大きな問題があるわけではない。

　一方、少なくとも2点が必要になったシティには、もはや失うものはなかった。

　前半を圧倒されたペジェグリーニはミルナーのポジションを中央に変更し、トゥーレの位置も上げるなど立て直しをみせ、徐々にバルサ陣内へ攻め込んでいく。

　問題は、このような打ち合いの展開になったときのバルサの守備だ。

　現在のバルサ最大の武器は、自陣でボールを奪った後の、縦に速いカウンターである。この日も、カウンターからメッシやネイマールが縦に素早い攻めでゴール前まで運ぶシーンが目立った。

　もちろんグアルディオラ時代の遺産でもあるポゼッションとパスワークは消え去ってはいないものの、チャンスの多くが縦に速い攻撃から生まれていることを考えると、バルサはもはやカウンター型のチームともいえる。

【次ページ】　カウンター型への変更ゆえに……。