サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
アジアで敗れ続ける日本サッカー。
最後の砦、五輪出場の枠は「3」。
posted2015/03/10 11:55
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Naoki Ogura/JMPA
3月27日からいよいよリオ五輪予選を兼ねる、AFCのU-23選手権2016予選が始まる。
日本にとって来年のリオ五輪出場は、カテゴリー別代表が世界に挑戦し、世界を経験できる「最後の砦」になっている。というのも近年、日本は各カテゴリー別代表の大会においてアジアの壁を突破できず、世界大会への扉が閉ざされているからだ。
実際、昨年U-16日本代表は韓国に敗れ、5大会ぶりにU-17W杯出場を逃した。U-19日本代表も北朝鮮に敗れ、今年ニュージーランドで開催されるU-20W杯出場を逃している。特にU-20W杯は、2007年カナダ大会以来、4大会連続で出場できていない。結果が示すように、ここ数年、20歳以下の日本代表がアジアを越えられないという深刻な状況に陥っているのだ。
そんな中、U-23日本代表が出場する五輪だけは、1996年アトランタ五輪以来、2012年のロンドン五輪まで5大会連続で出場を果たしている。今回「3」という狭い枠を手にし、この連続出場を継続するのが最大のノルマになる。
五輪は最高の強化の場である。
リオ五輪への出場を死守しなければならない理由は、2つある。
まずひとつは、五輪は最高の強化の場であるということだ。五輪の参加国は、メダル獲得のために本気のプレーを見せる。全力の相手と国際舞台で、決勝までいけば最大で6試合を戦う。この経験は、どんな強豪との親善試合よりも優る。
これまでも多くの選手が、五輪をステップにしてA代表で活躍するまでに成長している。例えば、南アフリカW杯では、阿部勇樹、田中マルクス闘莉王、大久保嘉人、松井大輔らアテネ五輪組が4名レギュラーとしてプレーしている。
ブラジルW杯では、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司、内田篤人、長友佑都ら北京五輪世代が主役を演じ、さらにロンドン五輪組も清武弘嗣、山口蛍など6名がメンバー入りしている。それまで世界経験がなかったロンドン世代が短期間で成長し、A代表に入ったのはベスト4に入った五輪での経験があったからに他ならない。五輪代表はA代表への登龍門でもあるのだ。