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アジアで敗れ続ける日本サッカー。
最後の砦、五輪出場の枠は「3」。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byNaoki Ogura/JMPA

posted2015/03/10 11:55

アジアで敗れ続ける日本サッカー。最後の砦、五輪出場の枠は「3」。<Number Web> photograph by Naoki Ogura/JMPA

ロンドン五輪を経て、海外へ飛び出した選手や日本代表に定着した選手は数多くいる。リオでも飛躍的な成長を遂げる選手たちの姿を見てみたい。

アジアでの存在感を維持するためにも。

 もうひとつは、アジアにおける日本の存在を高める必要があるということだ。Jリーグ発足後、1990年代半ばから2006年ぐらいまで日本は右肩上がりで成長し、アジアでの地位を盤石にしてきた。ところが最近、アジアの国々が飛躍的な経済的成長を遂げ、流れが変わった。

 アジア各国がボーダーレスで若手選手の強化を始めたのだ。また、クラブのオーナーたちが優秀な監督を雇い、質の高い外国人選手を獲得し、クラブチームの質を上げた影響も大きい。豊富な資金とスピード感で、日本の成功要素を取捨選択しながら母国のサッカーの強化を始めたアジア各国で、その努力が実を結び始め、ミャンマーがU-20W杯に出場するなど、10年前には想像できないようなことが起こっている。

 その一方で、日本は世界大会への出場枠を失い続けた。前述したカテゴリー別代表もそうだが、アジアカップでも日本はグループリーグでは圧倒的な強さを見せたものの、準々決勝でUAEを圧倒的に攻めながらPK戦で敗れている。

 ACLにおいても、Jリーグクラブは2008年のガンバ大阪以来、優勝から遠ざかっている。アジアの勢力図が少しずつ変わる中で、日本の地位が低下傾向にあるのは間違いない。

 結果を出せずに国際競争力を失えば、当然AFC内での発言力も低下する。そうなると大会の開催場所や日時、レギュレーションなどがさらに西アジア有利に展開していき、W杯予選も厳しい戦いになってしまうことが予想されるのだ。

豊富な資金力を背景に帰化や遠征で強化を行なう中東。

 しかも、西アジアの中東各国は代表チームの実力でも東アジアを凌駕しようと潤沢な資金力を武器にチーム強化を進めている。例えばカタールは、自国での'22年W杯に向けて若く優秀な外国人を帰化させ、頻繁に欧州に遠征を行ない、試合を重ねている。昨年U-19選手権で優勝するなど、早速強化の成果も出始めている。この差が今後どう出てくるのか、不気味な怖さを感じる。

 動き出したアジアの流れを塞き止めることは難しい。日本が築き上げてきたアジアの盟主としての存在感をこれからも維持し、発言力を維持するためには、カテゴリー別代表を含め、アジアでの予選敗退はもう許されないのだ。

【次ページ】 アギーレ解任で、戦術的な足かせもなくなった。

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