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W杯まで3カ月で迎えたアルガルベ杯。
初戦黒星のなでしこは大丈夫なのか。
posted2015/03/05 14:25
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph by
Tsutomu Kishimoto
なでしこジャパンは勝ちにいったアルガルベ杯初戦のデンマーク戦を1-2で落とし、W杯イヤーを黒星でスタートした。
デンマークには佐々木則夫監督就任以降4戦4勝と負けなしだったが、開始2分にミスも絡んで失点すると、1度は同点に追いついたものの、後半もリードを許す展開に。GK山根恵里奈を除き、先発11人中10人はW杯優勝を知る主力組だったが、今夏のカナダW杯への出場権のないデンマークを最後まで崩し切れなかった。
それにしてもドタバタだった。開始2分の失点は、そんな試合への入り方を象徴しているかのようだった。
ゴール前で混戦を作られると、クリアもままならずズルズルとラインを下げ、最後はS・トロルスゴールに押し込まれる。佐々木監督によれば、デンマークがコンパクトにプレッシングをかけてくるのは予想通りだったというが、まさに挑戦者として開始直後から圧力をかけてきたデンマークの術中に、王者なでしこがハマってしまったといえた。
デンマークは思った以上に強かった……。
序盤はとくに後方からのビルドアップがうまくできず、試合のリズムを掴めなかった。その時間帯について、MF阪口夢穂はこう振り返る。
「デンマークのプレスが予想以上だったのは間違いないです。ただ、無理してつなぐよりも、もっと大きくサッカーをすればよかったと、いまは思います。相手が前から来ているなか、つなごうとしてボールを奪われたら相手の思うツボですから。(思うようにボールを回せなかったのは)試合開始直前に水が撒かれたり、相手のプレッシャーがあったというより、自分たちの技術や判断のミスかなと思います。もちろん、長身でフィジカルもあるデンマークは思った以上に強かったですが……」