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W杯まで3カ月で迎えたアルガルベ杯。
初戦黒星のなでしこは大丈夫なのか。
text by
栗原正夫Masao Kurihara
photograph byTsutomu Kishimoto
posted2015/03/05 14:25
厳しいマークにあっていた川澄奈穂美だが、前半17分には自ら左サイドを突破し、ゴールへとつながるマイナスクロスを大儀見に入れた。「アルガルベ杯も絶対に優勝」と宣言しているだけに、悔しさもひとしおだろう。
失点シーンでは、今後の課題が浮き彫りに。
一方、DFの熊谷紗希も「絶対失点しちゃいけない時間帯だった」と開始直後の失点を悔やむ。
「簡単に跳ね返せばいい時間帯だったのに、そこで細かくやろうとしてしまった。そこは今後に向けての課題で、デンマークの勢いに押されてしまった。相手は前半途中ぐらいからペースが落ちてきたし。立ち上がりを抑えきれなかったのが苦しくなったそもそもの原因です。ただ、やられといてなんですが、W杯(本番)じゃなくてよかった。これを教訓にしたい」
後半の2失点目のシーンでは、自らのボールコントロールミスから右サイドでS・トロルスゴールにセンタリングを許し、最後はラスムセンに決められている。
チーム全体として、ボールを奪われた直後のリスクマネージメントが徹底できていなかったと反省した。
「相手の位置を把握できていなかったというのもあったけど、最初にわたしが簡単に(外にボールを出して流れを)切っておけばよかったんです。ただ、あの場面以外にも終盤には2-4の数的不利のシーンを作られたりして……今日は中盤の真ん中辺りで悪い形でボールを失い、カウンターを喰らうシーンが多かったと思います。そこは修正する必要があると思います」
6月のW杯本番に期待したい、永里と菅澤。
前半17分には、大儀見優季の左足のシュートがポストに当たったところに安藤梢が詰めて1点を返す。後半はボールを支配して相手陣地にまで何度も攻め込みはしたのだが、2点目には遠かった。
後半開始から安藤に代えて永里亜紗乃、68分には大野忍に代えて菅澤優衣香と、6月のW杯本番に向けて攻撃面での新たな駒と期待される2選手が相次いでピッチに立っている。
ドイツの強豪ポツダムではトップ下を務めることが多い永里は、なんとしても1点が欲しい重要な場面で、右MFとして投入されている。
「自分にとってすごくいい場面だったし、絶対、点を取って勝つという意識でピッチには入りました。いつも大柄な外国人選手とやっているので相手のプレーの特徴はわかっていた。だから、もう少し落ち着いてできればもっとチャンスを作れたと思う」