サッカーの尻尾BACK NUMBER
美しき強きバルサ、昔と何が違う?
連続するパスが無くなった理由とは。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byGetty Images
posted2015/02/28 10:50
欧州CL決勝T1回戦。マンチェスター・シティ相手にアウェイで2得点したスアレス。それを称える、ネイマール、ジョルディ・アルバ、そしてメッシ。
もはやバルサにかつてのパスの連続は無い……。
“トリデンテ”の最後のピースはネイマールだ。こちらも状態はいい。
シティ戦ではサバレタをトラップで華麗に交わした場面以外はそれほど目立たなかったが、1~2月は「バルサ加入後、最高のパフォーマンス」(『ムンドデポルティボ』紙)と評されるなど、存在感は増している。中央でメッシがボールを運び、スアレスと、そのもうひとつ裏のネイマールを狙っていく、という攻撃の形は定着している。ジョルディ・アルバとの左サイドの連携も熟成されてきており、今後もこのふたりにイニエスタが絡む左サイドの攻めはひとつのパターンになるだろう。
もはやバルサにかつてのパスの連続はない。そこにあるのは前線の個の色合いが濃い、強力な前輪駆動のサッカーだ。
前線の脅威は、昔よりむしろ高まっている。カウンター型の攻撃も可能になり、エリア内にあって点で合わせる攻撃のパターンも増えている。オーガナイザーとしてのメッシ、生粋の9番の登場、そして加入以降でも最高のパフォーマンスをみせるネイマールが構成する新しいバルサのトリデンテ――。
今季ここまで決めた112得点の内、3人が決めたのは70点にも及んでいる(メッシ37、ネマール24、スアレス9)。
このままいけば、ひとつの時代を築いた2008~2009シーズンの「メッシ-エトー-アンリ」の数字、100点を超えるかもしれない。