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M・デムーロとルメール、JRA騎手に。
通年参戦で日本競馬はどう変わる?
posted2015/02/07 11:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
日本の競馬界にとって、また大きな一歩が踏み出された。
JRAの2015年度新規騎手免許試験合格者が5日に発表され、今年競馬学校を卒業する4名のほか、イタリア人のミルコ・デムーロとフランス人のクリストフ・ルメールがともに合格した。
これまで外国人騎手は、1994年に導入された最長3カ月の短期免許を取得して騎乗することが多かった。それに先立ち、1955年にアメリカ人のロバート・アイアノッティ、'74年に同国人のミカエル・ベネジアが騎乗した例はあるが、現行制度のもとで外国人騎手がJRAの通年免許を取得するのは初めてのことだ。デムーロとルメールは、3月からJRAの騎手としてレースに出場できる。
ルメール「日本の馬で凱旋門賞を勝ちたい」
ふたりとも、毎年のように短期免許を取得して来日しており、日本のファンや関係者の間ではおなじみになっている。
デムーロは'79年1月生まれの36歳。'94年に母国イタリアで騎手になり、'97年から2000年まで4年連続イタリアのリーディングジョッキーとなった。
短期免許を取得しての初来日は'99年、20歳のとき。'03年にはネオユニヴァースで皐月賞とダービーの二冠を制覇。'11年にはヴィクトワールピサでドバイワールドカップを制し、日本馬として同レース初優勝の快挙をなし遂げた。JRA通算でGI10勝を含む354勝をマークしている。
合格の報せを香港で受けとった彼は、「すごく嬉しくて、泣きそうなぐらい興奮しています」と喜びを語った。
ルメールは'79年5月生まれの35歳。'99年にフランスで騎手デビューし、'03年にパリ大賞を制すなど活躍。
短期免許を取得し、日本で騎乗するようになったのは'02年から。'05年の有馬記念ではハーツクライに騎乗してディープインパクトを下し、'09年にはウオッカでジャパンカップを勝つなど、JRA通算ではGI5勝を含む245勝を挙げている。
栗東トレーニングセンターで、競馬学校騎手課程31期生たちとともに会見に応じた彼は、「日本の競馬は世界で一番だと思う。日本の馬で凱旋門賞を勝ちたい」と話した。