プロで13年間やったプライドは絶対にアピールしたい。

「一般社会に進むにあたって、最初からうわべだけの勝負はしたくないんです。歩んできた世界は違うけど、僕はプロで13年間やってきたプライドはあるし、そこは絶対にアピールしていかなくちゃいけない。

　引退後に、高校と予備校時代の友達が慰労パーティーを開いてくれたんです。その時、日本ハムの入団会見の映像を映してくれたんですね。『自分に期待している』っていう。今、まさにそういう状況なんです。新しい世界に足を踏み入れれば課題が目の前に降りかかってくるだろうけど、そこで自分が会社のために何ができるかを考えて、どう立ち向かっていけるか？　自分に期待しながら社会人をやっていきたいですよね」

　上質な土がなければ芳醇な作物は生まれないという。今の江尻にとって、ぴったりの言葉なのかもしれない。

　開拓者は未開の土地を自分で選び、また一から土を耕す。妥協することなく信念を貫けば、いつか必ずその土から力強い芽が顔をのぞかせる。新たな生命の息吹を喜び、人生の素晴らしさを唄う。