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久保&鈴木に、荒野、浅野、南野!
U-21、アジア遠征でタレント続出。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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posted2014/12/23 10:40

久保&鈴木に、荒野、浅野、南野!U-21、アジア遠征でタレント続出。<Number Web> photograph by AFLO

ヤングボーイズでもコンスタントにゴールを奪い、U-21代表でも攻撃の中心に相応しい存在感を示した久保裕也。高校生時代から期待され続けてきた大器は開花の時を迎えている。

手倉森監督「自分で工夫できる選手じゃないと」

 ピッチ内では新たな戦術にトライした。アジア大会までの4-3-3ではなく、4-4-2が採用されたのである。しかも、具体的な指示を与えなかった。手倉森監督が説明する。

「パッとシステムを変えて、自分たちでやってみろとなったときに、どう工夫できるのかを見てみたい。リオ五輪を経由してロシアW杯を目ざすんだというときに、自分で工夫できる選手、自分から目の前の山を越えようとする選手じゃないと、ロシアには行けないと思う。

 いまのフル代表の圭佑(本田)や岡崎(慎司)は、北京五輪とかで痛い目に遭って急成長していった。彼らは自分で工夫する、自分で切り開く意識を持っている。我々リオの世代は、痛い目に遭う前からそういう意識を育んでいきたいんです」

 戦略的な意味合いも、もちろん含んでいる。

 ストライカータイプを前線に2人並べることで、ボールの収まりどころを増やす。それによってポゼッションの時間をのばし、相手を消耗させる。暑さが厳しい東南アジアでの戦いを念頭に置いたものだ。

2トップ採用には、久保の加入も大きく作用。

 2トップにふさわしい人材も加わっていた。久保である。

 U-21タイ代表とのテストマッチで、久保は後半15分からピッチに立った。手倉森監督は前半と後半で選手を総入れ替えしたが、彼は前日にバンコク入りしたばかりである。そのため、30分の出場となった。

 もっとも、チームでただひとりの海外組が潜在能力を見せつけるには、30分も必要なかったかもしれない。鈴木武蔵(アルビレックス新潟)と2トップを組んだ背番号11は、一つひとつのプレーで次元の違いを感じさせた。アジア大会4強の相手が主力を欠いていたとはいえ、余裕と風格を漂わせた。

 前日の練習後に「シュートがうまいし、イージーミスがほとんどない」と久保を評していた手倉森監督も、そのポテンシャルを改めて評価している。

「ボールを落ち着かせられるね。パサーに対してパスコースの幅を持たせてくれるところもある。それと、パワーを出すところを知っているな、と。ディフェンスのときでも、相手にがっつりいくところと少し持たせるところのメリハリがある。ホントにアンダー21なのかと思わせるような、ベテランみたいな落ち着きがある」

【次ページ】 荒野、浅野、鈴木、豊川、矢島も強烈アピール。

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