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JC制覇エピファネイア、世界最強へ。
掛かっても突き抜けた「圧勝」の裏側。 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2014/12/01 11:15

JC制覇エピファネイア、世界最強へ。掛かっても突き抜けた「圧勝」の裏側。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

ジャパンカップを圧勝したエピファネイア。鞍上のスミヨンは凱旋門賞への適性を問われると「こんな馬に乗れたらいいなと思います」とコメントした。

スミヨン「今まで乗った日本馬で一番強い」

 勝ちタイムは2分23秒1。1000m通過59秒6という、良発表とはいえ水を含んでいた馬場ではハイペースと言える流れのなか、ずっと掛かりっぱなしで走り、最後にさらに突き放した強さは驚異的だ。

「フィニッシュするまでぐんぐん伸びてくれた。今まで乗った日本馬で一番強い」

 そうエピファを讃えたスミヨンは、ブエナビスタに騎乗した4年前のジャパンカップで1位入線しながらも斜行のため降着になった苦い思い出がある。

「申し訳ないと思っています。それだけに、また乗るチャンスをくれたノーザンファーム代表の吉田勝己さんに感謝しています」

 それにしても「今まで乗った日本馬で一番強い」ということは、オルフェーヴル以上の手応えを名手に感じさせた、ということか。

 管理する角居調教師でさえ、「びっくりしました」と笑い、冗談めかしてこう言った。

「ちゃんと調教ができていなかったんですけど、スミヨンさまさまですね。あんなに上手くいくことが何回もないのが、この馬の難しいところなんです」

ジャスタウェイはなぜ伸びなかったのか。

 ジャスタウェイは凱旋門賞同様、「脚があれば勝てる競馬」に持ち込んだが、爆発的な伸びは見られなかった。福永は、「ラスト100mぐらいで脚が鈍ってしまった。差を詰められなかったのは、距離が理由なのかどうかはわからないです」と語った。

 ジャスタから半馬身遅れた3着にはスピルバーグが追い込んできた。

「スタートは出たけど、外枠だったこともあってあのポジション(後方3、4番手)になった。追走に苦労したが、内からよく伸びてくれました」と騎乗した北村宏司。

 ジェンティルドンナは4着。ムーアは「きょうは切れ味勝負ではなく、スタミナ勝負になってしまった」と敗因を語った。

 勝負どころで大きな不利を食らったハープスターは、最後まで勝負を捨てず、ラスト3ハロン2位タイの35秒0の末脚で大外から追い上げたが、5着に終わった。

 ラスト3ハロン最速のスピルバーグでも34秒8だったのだから、瞬発力勝負に持ち込みたかった馬にとっては厳しい流れになってしまった。ムーアがコメントしたように、切れ味が武器の牝馬には不向きなスタミナ勝負、耐久力勝負のレースになったことが、道中掛かり気味で走ったほうが弾けるパワー型のエピファネイアの勝因となった。

 それにしても、これだけのメンバーが揃ったレースで4馬身差をつけたエピファネイアは並の馬ではない。2着はレーティング世界一のジャスタウェイなのだから、このジャパンカップに関しては、文句なしに「世界最強」だった。おそらく来年になるであろうが、同期のダービー馬、キズナとの再戦がますます楽しみになった。

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