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豪華メンバー集結のジャパンカップ。
カギは距離適性、有利なのは3歳勢?
posted2014/11/29 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
桜花賞馬と皐月賞馬とダービー馬、レーティング世界一の馬、3連覇を狙う女傑、天皇賞・春2勝馬……などなど、今年のジャパンカップ(11月30日、東京芝2400m、GI)には「史上最強」と言われるメンバーが揃った。
最近は、天皇賞・秋を秋初戦に選ぶ有力馬が多くなり、それが天皇賞が紛れる要因のひとつになっている。また、有馬記念は余力のある馬たちが向かう消耗戦なので、競走能力以外の耐久力が求められる。となると、間にはさまれ、賞金が最も高い(1着2億5000万円)このジャパンカップに、強い馬がいい状態で集まりやすくなって当然と言えるのだが、それにしても豪華絢爛、馬名を眺めているだけで嬉しくなってくる。
欲を言えば、外国馬にも「目玉」と言えるスーパーホースがいればなおよかったのだが、これ以上の贅沢は言わず、出走馬を見ていこう。
ジャスタウェイは2400mでも大丈夫なのか?
今回のメンバーが例年になく豪華に感じられるのは、どの馬がいるからか。それはやはり、IFHA(国際競馬統括機関連盟)の「ワールドベストレースホースランキング」で1位を獲得したジャスタウェイ(牡5歳、父ハーツクライ、栗東・須貝尚介厩舎)だろう。
昨年の天皇賞・秋や今春のドバイデューティフリーを圧勝したこの馬の強さは誰もが知るところだ。
しかし、8着に敗れた凱旋門賞以来、約2カ月ぶりの実戦で、芝2400mのレースに出走するのは11着に終わったダービーを含め、今回が3度目。1800mや2000mで発揮してきた「世界一」の爆発力が、この距離になると鈍るのではないかと心配されている。
「今回で、2400mの適性がハッキリするでしょうね」と、主戦の福永祐一も、絶対の自信を持っているわけではないようだ。
それでも須貝調教師は、「馬場がどうとか、距離がどうとか言っていられない」と強気の姿勢を崩さない。
このクラスになると枠順についてどうこう言っていられないのだろうが、周りに馬を置いて脚を溜めやすい最内の1番枠はプラス材料だ。
凱旋門賞で8着だったとはいえ、アウェーで、しかも力のいるロンシャンで4馬身強しか離されなかった、と見ることもできる。とてつもないパフォーマンスを見せてきた東京が舞台となれば、前走のようなことはないだろう。