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内田篤人にとって、最も厳しいCLに。
大敗、ブーイング、自力突破消滅。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2014/11/26 16:30
チェルシーに大敗し、グループリーグ突破の危機に瀕した内田篤人とシャルケ。ブンデスリーガでも7位とEL圏外に停滞し、苦しい戦いがつづく。
過去のCLでもっとも厳しい状況を打ち破れるか。
そして――。
内田のこんな言葉に、現在のシャルケの状況が端的に表れていた。
「自滅した感じはある。ブンデスではゲーム内容が悪くても結果を残せていた試合もあるけど、こういう相手だとなかなか……」
内田にとっては、'10-'11シーズンにシャルケに加わってから4度目のCLになるが、過去にこれほど苦戦したシーズンはなかった。
'10-'11シーズンは初戦に第1シードのリヨンとのアウェーゲームを落としたものの、それ以降の試合では強さを見せつけ、首位突破。
'12-'13シーズンには、第3節に第1シードのアーセナルとのアウェーゲームで完璧に近い戦いをみせて、首位突破につなげた。
'13-'14シーズンは最終節を3位で迎えながらも、2位だったバーゼルをホームで下して自力で決勝トーナメント進出を決めている。
それにひきかえ、今シーズンはここまで一度も内容と結果がともなった試合を披露することなく、他力本願でのグループステージ突破を目指すしかない状況だ。チームとして、よりどころとなる戦い方がいまだに見えてこないのも、決勝トーナメント進出へ向けて不安を残している。
怪我人が続出している状況にあるとはいえ、現状を打破するのは簡単ではない。がけっぷちに立たされたことで、選手たちが目の色を変えて戦うのを期待するしかない。そんな状況に今のシャルケは陥ってしまっているのだ。