サッカーの尻尾BACK NUMBER
バルサの刷新に必要な4つのこと。
中盤、ピケ、3トップ、そして……。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byAFLO
posted2014/10/29 10:40
リーガ首位は守っているものの、レアル・マドリーに敗れいよいよ改革の必要性にせまられているバルセロナ。「このクラシコが転機だった」。そういわれる試合になるのかもしれない。
最後の条件を握るのは、実はバルサファン?
4.ファンがペップ時代の栄光を一刻も早く忘れること。
ファンの間でクラシコを観戦して改めて分かった。
彼らの脳裏には、ジョゼップ・グアルディオラが提示したサッカーが今も根強く残っている。
絶頂期にあった、2009~2011年頃のバルサだ。
何かあれば、彼らは首を振ってこうこぼす。
「ペップのバルサは……」
しかし、彼らの頭の中に生き続けている過ぎ去った美しき時代は、もう二度と訪れることはない。
あの2年間は、すべての選手がキャリアの絶頂期にいた。そこにグアルディオラという豊富なアイデアを持ち、常に新たなものを導入しようとする監督が加わり、化学反応が起きた。サッカーの歴史に残る、輝かしい数年間だった。
当時のバルサのパフォーマンスを求められても、誰もその要求には応えられない。もう一度あのサッカーを再現できる監督などいないのだ。ルイス・エンリケであっても。そして恐らくはグアルディオラ自身であっても。
バルサには変革が必要だ。
そしてペップの時代の美しい絵が貼られたままのバルセロニスタの頭の中にも、それは必要とされている。