サッカーの尻尾BACK NUMBER
バルサの刷新に必要な4つのこと。
中盤、ピケ、3トップ、そして……。
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byAFLO
posted2014/10/29 10:40
リーガ首位は守っているものの、レアル・マドリーに敗れいよいよ改革の必要性にせまられているバルセロナ。「このクラシコが転機だった」。そういわれる試合になるのかもしれない。
最も辛辣な意見が向けられた、ピケ。
2.ピケを外せ。
最も辛辣な意見は、ピケに対するものだった。
「ピケを外せ」というストレートなものから、「放出しろ」、「シャキーラと浮かれている」まで、実に様々だ。
個人的には賛成である。筆者は長い間、ピケのCBとしての能力、特に1対1の圧倒的な弱さに首を傾げてきた。プレーヤーとしての彼を表す時の常套句「後方から組み立てができる」は明らかに誇張で、バルサでも、スペイン代表でも、彼が後方からゲームを作る場面はほぼ皆無だ。気のきいた縦パスも、ロングフィードもない。
守備面では、スピードにのったウインガーと対峙した時には、ほぼ確実に置き去りにされる。(それがロナウドでなくても)。バルサはチームの性質上、カウンターを受けやすく、CBにはスピードと1対1での対応が求められる。今だと、明らかにマスチェラーノ&マテューの方が適している。
もはやバルセロナのファンも、地元出身の彼をかばいきれなくなっている。
3.プレスを取り戻したいのであれば黄金の3トップを諦めろ。
おそらく、ルイス・エンリケの最大の目標は、前線からのプレスを取り戻すことだった。
今季序盤戦、リーガでの格下相手にはプレスが機能した試合もあった。しかしクラシコではそれがまったくはまらなかった。そもそも、スアレス、メッシ、ネイマールを並べて、その種の守備戦術を実行しようと言うのは、ほとんど不可能に近い。
やるのであれば、ムニル、ペドロというプレスに適した選手が少なくともひとりは必要だろう。
それでもこの3人を並べて大一番に勝ちたいのであれば、方法がひとつある。ポゼッションを捨てた、カウンタースタイルに変更することだ。
ボールを奪いにいく位置をこれまでより低く設定し、前線から走り回る様なことは求めない。そしてボール奪取後はスピードを活かして個で攻める。禁断の「マドリー風バルサ」は、一度見てみたい気もする。もちろん、バルサがポゼッションを放棄することなど考えられないが。