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驚きのスペインA代表初招集!
バルサに現れた19歳、ムニルの未来。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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photograph byWinner Media/AFLO

posted2014/09/10 10:30

驚きのスペインA代表初招集!バルサに現れた19歳、ムニルの未来。<Number Web> photograph by Winner Media/AFLO

代表招集に驚いたムニルは「開いた口がふさがらなかったよ。スペイン代表でプレーすることは夢なので、すごくうれしい」とコメント。

憧れはメッシ、プレーの見本はペドロ。

 憧れの選手はリオネル・メッシと語っているが、プレーを見本としているのはペドロ・ロドリゲスだという。なるほど、左右のウイング、センターFWでのプレーも難なくこなす戦術理解力の高さ、ワンタッチでボールをはたいて周囲の選手を生かすコンビネーションプレーの巧さなど、確かにペドロと重なるところも多い。

 だがムニルの最大の特徴は、19歳とは思えぬ洗練された得点能力にある。巧みな動き出しでマーカーの目を盗み、ゴールに直結する位置でラストパスを引き出し、左右両足のインサイドを使った丁寧なシュートでゴールにボールを流し込む。彼はこうしたフィニッシュに関わる一連のプレーの精度が、驚くほど高いのである。

 しかも今季のバルセロナは、両ウイングが中央寄りの位置で2トップのように並び、下がり目に位置するメッシのラストパスを受けてゴールを決める形が増えている。それはウイングとしてプレーしながらゴールを量産してきたムニルにとって、自身の特徴を生かすにはこの上ない環境である。

レギュラーに成長したカンテラーノは5年以上いない。

 とはいえセルヒオ・ブスケッツとペドロが台頭した'08-'09シーズン以降、カンテラからバルセロナのトップチームに昇格した選手は何人もいるが、レギュラークラスに成長したカンテラーノはまだ1人もいない。

 それに今回のフル代表招集に関しても、ビセンテ・デルボスケ監督の頭には、ボージャンやチアゴ・アルカンタラのケースと同じく、父親の祖国であるモロッコの代表としてプレーする可能性を閉ざし、スペイン代表に囲い込もうという意図があったと考えるのが自然だ。

 何せ今回落選した選手の中には、フェルナンド・トーレスやフェルナンド・ジョレンテ、アリツ・アドゥリスといったトップレベルのストライカーが何人もいた。彼らベテラン勢以外にも、パコ・アルカセル、長期離脱中のヘセ・ロドリゲス、アルバロ・モラタ、ロドリゴ・モレーノなど若手有望株には事欠かない。

 今後、ムニルが代表チーム内でのポジション争いで生き残れるかどうかは、彼がこの半年間でなしとげた飛躍以上に難しいことかもしれない。それでも19歳の未来に無限大の可能性が広がっていることは間違いなく、多くのファンにとって、その成長が楽しみな選手が出てきたことは嬉しい限りだろう。

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