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社会人野球の育成力は半端じゃない!
都市対抗で見つけた2人の好素材。 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph bySPORTS NIPPON

posted2014/08/01 10:50

社会人野球の育成力は半端じゃない!都市対抗で見つけた2人の好素材。<Number Web> photograph by SPORTS NIPPON

7月27日の準々決勝、対日本新薬戦に7回途中から登板、1回1/3を完璧に抑えた富士重工業の石崎剛。無名の高校で投げていた頃から注目されていた才能が、ようやく花開こうとしている。

1998年以降、東京周辺のチームが優勝を独占。

 過去33年間の優勝チームをおさらいしよう(★印は東京周辺以外のチーム)。

'81年=電電東京(東京)、'82年=★住友金属(和歌山)、'83年=東芝(神奈川)
'84年=日産自動車(神奈川)、'85年=★日本生命(大阪)、'86年=日本石油(神奈川)
'87年=★ヤマハ(静岡)、'88年=東芝(神奈川)、'89年=プリンスホテル(東京)
'90年=★ヤマハ(静岡)、'91年=東芝(神奈川)、'92年=★日本生命(大阪)
'93年=日本石油(神奈川)、'94年=★本田技研鈴鹿(三重)、'95年=日本石油(神奈川)
'96年=本田技研(埼玉)、'97年=★日本生命(大阪)、'98年=日産自動車(神奈川)
'99年=東芝(神奈川)、'00年=三菱自動車川崎(神奈川)、'01年=★河合楽器(静岡)
'02年=いすゞ自動車(神奈川)、'03年=三菱ふそう川崎(神奈川)、
'04年=★王子製紙(愛知)、'05年=三菱ふそう川崎(神奈川)、'06年=★TDK(秋田)
'07年=東芝(神奈川)、'08年=新日本石油ENEOS(神奈川)
'09年=Honda(埼玉)、'10年=東芝(神奈川)、'11年=JR東日本(東京)
'12年=JX-ENEOS(神奈川)、'13年=JX-ENEOS(神奈川)

[註]日本石油は新日本石油ENEOSからJX-ENEOS、三菱自動車川崎は三菱ふそう川崎、電電東京はNTT東日本と社名を替え、本田は現在Hondaで統一している
休・廃部しているチームは以下の通り→住友金属、日産自動車、プリンスホテル、河合楽器、いすゞ自動車、三菱ふそう川崎

 33年間で東京周辺以外のチーム(以下、地方勢)が優勝したのはわずか10チーム。しかし、'97年までの17年間は地方勢が7回優勝しているのでまだ拮抗しているイメージがあった。東京周辺のチームが優勝を独占するようになるのは'98年以降の16年間である。この間、地方勢の優勝は3回しかなく、'07年以降の7年間は東京周辺のチームが優勝を独占し続けている。

 首都圏で生まれ育ち、現在も東京都下に住んでいる筆者としても、これほど東京周辺のチームが覇権を握り続けている状況が面白いはずがない。それが今年、変わる気配を見せた。

【次ページ】 激しい生存競争か、人材の潰し合いか。

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