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規律、努力、そして攻撃サッカー?
ジダンがレアルBの監督に就任!
text by
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
photograph byGetty Images
posted2014/07/03 10:30
レアル・マドリー対ユベントスの「レジェンドマッチ」でユニフォーム姿でマケレレと談笑するジダン。昨季はアンチェロッティの元でアシスタントコーチとしてCL優勝を経験した。
“ライセンス飛ばし”で事実上の監督に。
そこで将来マドリーのトップチームをジダンに任せるつもりでいるペレス会長が、彼自身とジダンの夢の実現のためにカスティージャを提供したというわけだ。
ただし、当面名目上の監督はラ・ファブリカのベテラン、サンティアゴ・サンチェスになる。スペインの1部、2部、2部B、3部で監督をするために必要なライセンスをジダンはまだ取得していないからだ。ちなみにサンティアゴ・サンチェスは昨季U-15のカテゴリーでジダンの元チームメイト、サンティアゴ・ソラーリのアシスタントを務めている。
ちなみに、こうしたライセンス飛ばしの前例を作ったのはクライフである。1988年5月、バルサと監督契約を結んだクライフはリーガが課すライセンスを持っていなかったため、アシスタントのレシャックが書類上は監督となっていた。
ジダンはどんなチームを作るのか。
何より気になるのは、ジダンはカスティージャをどんなチームにしようとしているのかということだろう。
これが初監督なのだから具体的に知る術はないが、'10年3月に行なわれたインタビューの中にヒントがあった。監督の中には選手の自主性を重んじ、個人主義を良しとする者もいるが、ジダンはおそらく規律や集団行動を大事にする。
「俺は仲間と一緒にいることが好きなんだ。意見交換することで巧くなれるからね。14歳のとき、カンヌのスクールでそれを教えてもらった。スクールには規則もたくさんあった。就寝時間、起床時間、食事時間……。俺の人生はずっとそんな感じだった」
次に、選手に対して努力を奨励するはずだ。
「クリスティアーノ・ロナウドは世界一になりたがっており、それを公言している。だが口だけじゃない。毎日、他の者より2時間早く練習場に来て、6時間をそこで過ごすんだ。皆あいつのことを『かっこいい』というが、彼は高潔なんだよ。努力家の良い男だ」