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ベンゼマ、1222分の無得点を超えて。
「デシャンとならどこまでも行ける」
posted2014/06/24 10:30
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Getty Images
インタビューをお送りします。
無得点が続いた15試合、C・ロナウドから学んだこと、ブラジルに憧れた日々。
そしてW杯でフランスが成し遂げるべき目標とは?
――'12年6月のエストニア戦から'13年10月のオーストラリア戦まで、15試合で通算1222分間無得点という不名誉な記録を樹立している間は、どうやって平静を保とうとしたのでしょうか?
「それについてはみんな騒ぎ過ぎだ。得点にばかりこだわりすぎて、僕がピッチの上で他に何をしているかを誰も見ようとしない。まったく無視され続けた。そして最後には、無得点記録がどこまで続くかという興味本位の話題になった。
簡単ではなかったけど、どれだけ批判を浴びようと僕は自分とチームのプレーに集中し続けた。精神的にはさらに強くなれた。絶対に復活できるという自信があったから、諦めずにやるべきことをやり続けた」
――ちょっと想像してみてください。あなたは齢を重ね、白髪の監督としてベンチに座っています。自分のチームのストライカーが1222分得点を決められなかったら、彼にどんな言葉をかけますか?
「それはどんな状況かにもよるし、サッカーに対する考え方の問題でもある。もし僕のチームのストライカーが得点を決められなくとも、彼がチームプレーに貢献しているのであれば問題はない。チームのために戦い、チームメイトのために献身し、アシストもしているのであれば、何も言うことはないよ」
「スタメン落ちより、機会を失ったことが辛かった」
――ウクライナとのプレーオフ第1戦の前に、あなたはスタメンを外されました。監督との間にどういうやりとりがあったのですか?
「彼は僕に自分の考えを打ち明けた。『君よりも調子のいい選手がいる。彼は自信も得ているし得点も決めている』と。だから僕もこう答えた。『問題ないです、コーチ。それがサッカーですから。僕は再びポジションを取り戻せるように頑張ります』とね」
――言葉ではそうかも知れませんが、心の奥底では実際にどう感じていましたか?
「辛かった。スタメン落ちがじゃない。情熱のはけ口が失われたことが辛かった。プレーしたい、ゴールを決めたいという望みが絶たれてしまったからだ。
皆が僕の一挙手一投足に注目している。自分でもそれを感じている。なのに周囲は僕を疑い始めている。これは辛かった。敢えて考えないようにするしかなかった。仲間とふざけ合ったりして。他にどんなやりようがあると言うんだ?」