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ベンゼマ、1222分の無得点を超えて。
「デシャンとならどこまでも行ける」 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byGetty Images

posted2014/06/24 10:30

ベンゼマ、1222分の無得点を超えて。「デシャンとならどこまでも行ける」<Number Web> photograph by Getty Images

プラティニ、ジダンと受け継がれてきた10番を背負い、26歳にしてチームでは年長組に入るベンゼマ。チームが空中分解した南ア大会から4年、フランスは結束を見せることができるか。

C・ロナウドから学んだ一流選手の義務。

――復活は突然だったのですか、それとも徐々にでしたか?

「少しずつだった。いずれにせよ僕はひとつのことしか期待されていなかった。得点することだ。たとえ90分間何もしなくとも、得点さえすれば許される。そんな感じだった」

――いったい何が悪かったと思いますか。食事でしょうか、それとも練習方法だったのでしょうか?

「わからない。ただ言えるのは、選手はキャリアを積む間にいいときも悪いときもあるということだ。ある瞬間にいきなり下降する。

 トレーニングをさぼったことなどないよ。僕は練習が大好きだ。レアルでは朝11時に練習が始まるから、選手は10時半までに練習場に来ることを義務づけられている。僕は毎日9時半にやって来て、まずマッサーに身体を見てもらった後でマシントレーニングをはじめる。大腿四頭筋と太もも裏のトレーニングは、毎朝欠かさずにやっているんだ。それからピッチの上のトレーニングが午後1時まで続く。その後でまた筋トレルームに戻って筋力トレーニングを再開するんだ」

――それこそレアルであなたが学んだ一流選手の義務であるわけですね。

「時間前に練習場に行くのはクリスティアーノ・ロナウドから学んだ。彼はそこらにいる選手じゃない。世界最高のプレイヤーだ。今はとても仲がいいけど、最初は話しかけることすらできなかった。僕はクラブに言われたとおりに、10時半に練習場に入っていた。でもすぐに、もっと練習しなければいけないことに気づいた。クリスティアーノだけじゃない。シャビ・アロンソもディエゴ・ロペスも、アルベロアやペペも、みんな早く来てトレーニングをしているから……」

フランスとレアルのシステムは似ている。

――デシャンがこのところ採用し続けている4-3-3システムは、あなたのプレーに合っているといえますか?

「どちらかといえば僕はこのシステムに慣れている。やり方はちょっと違うけど、レアルもこのシステムでプレーしているからね。クリスティアーノとベイルの3人で、フランス代表以上に頻繁にポジションチェンジをおこなっている。だからレアルではトップだけでなく、右にも左にも自由に動いてポジションを変えている。3人の誰もが、ストライカーのポジションに入ってゴールを狙えるわけさ。フランス代表は違っていて、両サイドの選手、リベリーとバルビュエナが中央に入ってきてトップの僕と絡む」

【次ページ】 ブラジルという言葉で連想するのは「ロナウド」。

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