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ネイマールは「主役」でこそ輝く。
“メッシシステム”の鎖は解かれた!
posted2014/06/12 16:30
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph by
Getty Images
一般紙『エルパイス』の見出しが辛辣だった。
“失望に終ったネイマール”
メッシはネイマールに手本を示した、というメッシと比較する記述もある。
3月中旬、バルセロナはCLベスト16でマンチェスター・シティを破った。しかしメディアは不甲斐ないプレーを見せたネイマールを批判している。
スタジアムもブーイングを浴びせた。試合終盤、ネイマールに交代が告げられると、9万人の不満が彼へ向かって、勢いよく急勾配のスタンドを下っていった。
ブーイングを浴びながらシーズンを終えたネイマールは、母国でのワールドカップに主役として挑もうとしている。
メッシよりも、フレッジがネイマールの力を引き出す。
バルサとは違い、ブラジル代表のネイマールは輝く。
そう見る向きは多い。両者には、ネイマールにとっていくつもの違いがあるからだ。
まずはコンビを組むCFだ。
バルサでネイマールが組んでいるのは、メッシである。
現バルサはメッシの能力を最大限に活かすためのシステムが構築されている。
最前線のメッシは守備のタスクも最低限で、好きなように、自由にプレーすることができる。そんな“メッシシステム”の中に、ネイマールはピースとして入ることを求められた。エースから逆算してチームを組み立てていく独特の構造に、ネイマールは馴染まなければならなかったのだ。
一方、ブラジル代表でCFに入るのは、気のきいたプレーのできるフレッジだ。
フレッジに関しては、国内の批判も多い。彼は単独でドリブル突破することはできないし、きらびやかなテクニックもない。