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ネイマールは「主役」でこそ輝く。
“メッシシステム”の鎖は解かれた!
text by
豊福晋Shin Toyofuku
photograph byGetty Images
posted2014/06/12 16:30
ブラジル代表でのネイマールは、ドリブル、フリーキック、ポジションチェンジなど全権を任されている。アイルトン・セナ以来といわれる国民的スターは、黄金のW杯を母国にもたらすことができるか。
ネイマールは「主役」でこそ輝くタイプ。
周囲の見方も、バルセロナのそれとは違ってポジティブなもので、批判の多いスペインとは対照的だ。
ワールドカップ開幕を控えたネイマールはブラジルの期待を一身に背おっている。町にはネイマールの写真が溢れている。新聞スタンドでは、モデルのようなネイマールがVOGUEの表紙を飾っている。『フォーリャ・デ・サンパウロ』紙を開くと、ネイマールがいかにリーダーとしての役割を全うしているのかが、長々と書かれてあった。
バルセロナでは主役を引き立てる準主役にすぎないが、ブラジルでは主役の中の主役だ。ネイマールはそんな中で最も能力を発揮するタイプ。バルセロナに移籍する前のサントスでもそうだった。
ネイマールは「バルサでの1年目はまずまずといったところ。悪くはなかった」と語っているが、本人も納得はしていないだろう。加入1年目にバルサが久しぶりに無冠でシーズンを終えたこともあり、責任も感じているはずだ。
苦しんだシーズンを終えて挑むワールドカップの舞台、そこにはきっとカンプノウとは違うネイマールの姿がある。