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メッシ獲得は「353億円」の価値有り!
選手の移籍で発生する経済効果とは。 

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並木裕太

並木裕太Yuta Namiki

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posted2014/05/21 16:30

メッシ獲得は「353億円」の価値有り!選手の移籍で発生する経済効果とは。<Number Web> photograph by AFLO

4年連続のバロンドール、シーズン史上最多得点など多くの記録を打ち立てたメッシは、史上最高額の年俸を得る選手となった。もし移籍するとなれば、その移籍金は天文学的な数字になって当然なのだ。

マンCの「353億円」は、緻密な計算の結果だった!?

 例えば'11年に来日したアーセナルは、日本ツアーだけで約20億円の収益を得たと見られており、日本以外の数カ国を周ることによって50億円規模の増収が見込めることになります。

 これを5年間の契約期間のうちに2回行なうとすると、先ほどの225~250億円に50億円×2=100億円を上乗せした325~350億円が「5年間の経済効果」として現れます。冒頭で紹介した、マンCが用意していたとされる「353億円」という数字は、実は緻密な分析によって弾き出された金額だったのかもしれません。

 実際には、クラブ側の負担としては移籍金に加えて年俸という要素があり、メッシ側が提供し得るメリットとしては、今回あえて除外したパフォーマンスによる(勝利ボーナス等の)経済的な貢献があります。

 バルサとの間で見直された契約では、メッシの年俸はC・ロナウドを抜いて世界最高となる28億円+出来高4億2000万円になるのではないかと報道されています。それに加え、バルサは「もし移籍させていたら得られていた」350億円の収入を(ケガによって長期的にプレーできなくなるリスクを覚悟の上で)我慢したことにもなるのです。

 クラブが期待する価値に見合ったパフォーマンスを見せられるかどうか。残留を選択したメッシですが、自身の「お値段」を証明するための戦いはこれからも続きそうです。

(構成:日比野恭三)

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