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なでしこ'15年W杯出場決定、連覇へ!
吉良、猶本ら存在感を増す新世代。 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byTakahisa Hirano/AFLO

posted2014/05/19 11:30

なでしこ'15年W杯出場決定、連覇へ!吉良、猶本ら存在感を増す新世代。<Number Web> photograph by Takahisa Hirano/AFLO

代表初ゴールでゴールラッシュの火蓋を切った吉良知夏。所属の浦和レッズレディースでは18歳から10番を背負う新世代の筆頭格だ。

澤の後継者と期待される猶本光もボランチ初先発。

 ボランチとして代表初先発を果たした猶本光にとっても、生き残りを懸けた試合だった。澤の後継者との期待も大きい逸材は、「シュートの意識を高く持ち、点に絡むプレーをしたい」と話していた通り、立ち上がりからミドルシュートやダイナミックな展開を図るなど、アグレッシブなプレーを連発する。

 思い切りの良い展開が先制ゴールにつながったのは前半25分。猶本は自陣からまずは右サイドのスペースに長いパスを出すと、戻ってきたボールを今度は左サイドへパス。このプレーが起点となり、吉良の先制点が生まれたのだ。

 ハーフタイムには佐々木監督から呼び止められて長めの指導を受けた。後半は宇津木瑠美とポジションを替えて左サイドバックに入り、最後まで持ち前の豊富な運動量でピッチを走り回った。

本人は自らの判断に表情を曇らせてはいたが……。

 佐々木監督は「猶本はボランチでは少し気負いすぎていた。でもミドルシュートや展開は及第点。猶本がボランチで悪いということでサイドバックに下げたのではなく、宇津木をボランチで見たかったというのもある」と、ポジションを替えた理由を説明した。

「もっと散らすなり、シュートするなり、判断よくやれば良かった。シュート(が多かったこと)も、チームにとって良かったのかどうか……」

 猶本自身もそう表情を曇らせたが、そもそもヨルダン戦は20歳の猶本自身を含めた若い顔ぶれが多くピッチに立った試合である。

 しかも、ワールドカップ出場権を獲るというだけではなく、A組1位でのグループリーグ突破を目指した日本にとって必要なのは、より多くのゴールだった。それを思えば、空回りの部分は割り引いて差し支えないだろう。

 むしろ、初めて左サイドバックとしてプレーした直後の後半4分に、中央にいた高瀬愛実へ上げたクロスが阪口夢穂のゴールにつながったように、佐々木監督の欲する「サイドで起点になる選手」という要求に対し、短時間で回答を出したことはプラス材料だ。

【次ページ】 大儀見優季が離脱する準決勝以降に真価が問われる。

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