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「ロンドン世代ドイツ組」清武とW酒井。
ザックジャパンの序列を覆せるのか。

posted2014/05/21 10:40

 
「ロンドン世代ドイツ組」清武とW酒井。ザックジャパンの序列を覆せるのか。<Number Web> photograph by Getty Images

オランダとの引分けに続き、ザックジャパンの上昇気配を決定的なものにしたベルギー戦で、清武弘嗣、酒井宏樹、酒井高徳は揃ってスタメンだった。W杯本大会でも流れを変える役目を担えるか。

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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Getty Images

 ひっそりと、闘志を燃やしている選手たちを見逃してはいけない。

 ブンデスリーガでプレーする清武弘嗣、酒井宏樹、酒井高徳の3人だ。男子サッカーとしては44年ぶりのベスト4進出を果たしたロンドンオリンピック日本代表、いわゆる「ロンドン世代」の選手たちである。

 それぞれ、所属するクラブではレギュラーとして活躍しており、一昔前なら“ドイツの1部に所属するクラブのレギュラー”として、日本でもスターとして扱われていたはずだ。ただ、現在の日本代表では絶対的な存在になれているわけではないから、ともすると日本で正当な評価を受けていないのかもしれない。

 絶対的なレギュラーではないからこそ、W杯のメンバー発表前に彼らは慎重な発言を繰り返していた。例えば、清武はメンバー発表を前にしていたときにこう話していた。

「メンバー入りすか? それもどうなるか分からないし……」

 酒井高徳はメンバーに選ばれたあと、発表を待つ間の気持ちを明かしている。

「大事なのは自分の気の持ちようじゃないですかね」

「(普段から)代表のメンバーには入っていたけど、代表で確立されたメンバーになるための活躍というのは……。自分の中で思い描いていたイメージとは違う形で、代表での活動を過ごしてしまったので、W杯のメンバーに入れるか入れないか不安なところもありました」

 ザッケローニ監督の方針は良くも悪くも、ブレない。このイタリア人指揮官は、とにかくチームとしての継続性を大事にしてきた監督だ。それは前回のW杯で岡田武史監督の下で戦った選手の多くが語っていることだ。

 では、ザッケローニ体制下で代表に定着した彼らが指をくわえていればいいかというと、そうではない。日本を代表して、W杯に戦うメンバーに選ばれた以上は、ブラジルで世界を驚かせるための一員なのだ。大舞台で活躍するための原動力となるのは、ブンデスリーガのクラブの主力として戦ってきた経験だろう。

「やっぱり、大事なのは自分の気の持ちようじゃないですかね。そこがしっかりすれば、前に出ていく自信も出るわけだから」

【次ページ】 長谷部とともにプレーしたことで清武が得た収穫とは?

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