なでしこジャパンPRESSBACK NUMBER
なでしこ'15年W杯出場決定、連覇へ!
吉良、猶本ら存在感を増す新世代。
posted2014/05/19 11:30
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Takahisa Hirano/AFLO
'15年ワールドカップ予選を兼ねた女子アジアカップ(ベトナム)で、日本は5月18日、グループリーグA組最終戦のヨルダン戦を行ない、7-0と大勝。A組1位での準決勝進出を決めると同時に、参加8カ国中5カ国に与えられるワールドカップ出場権を獲得し、世界連覇への第一関門を突破した。
バイクに埋め尽くされた道をかいくぐりながら、ホーチミン市からバスに揺られること約40分。ビンズオン省にある試合会場の芝は、夕刻から断続的に降った雨によってほどよく濡れており、ボールがよく走る状態になっていた。
ベトナムとの第2戦から先発11人全員を入れ替えて臨んだこの試合。2トップの一角として先発に名を連ねたFW吉良知夏は、ベンチスタートの澤穂希から試合前にこう言われた。
「自信を持っていけるよ。シュートもどんどん打っていい。打たないと入らないんだからね」
ありがたい言葉だった。なでしこジャパンに選ばれたばかりの吉良は、オーストラリアと対戦したグループリーグ初戦では、先発したものの思うようなプレーを見せることができず、前半34分という早い時間帯で交代を命じられた。
「反省すべきところは反省したし、自分の頭の中では気持ちも切り替えていた」(吉良)と言いつつも、「澤さんにそうやって言われて、本当に自信を持って、90分間ビビらずにやれた」と激励に感謝した。
欧州組不在は、若手にとって絶好のアピールチャンス。
この日は、吉良のゴールを皮切りにゴールラッシュとなり、7-0という圧勝でワールドカップ出場を決めた。
活躍したのは吉良だけではない。ヨルダン戦のピッチには何人もの新戦力がおり、それぞれが自分の良さを出そうと積極的にプレーした。なぜなら、今回のアジアカップは国際Aマッチデーではないため、佐々木則夫監督が呼びたかったという欧州組のうち6人は、クラブの了承を得られずに不参加。そうした状況で選ばれた若手にとっては、数少ないチャンスでいかにアピールするかが重要になってくるからだ。