MLB東奔西走BACK NUMBER
田中将大、“宣伝通り”のスタート。
次に掴むべきはNYのファンの心だ。
text by
菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi
photograph byGetty Images
posted2014/05/03 10:40
4月27日のエンゼルス戦、制球が定まらず終始硬い表情をしていた田中将大投手。ここまで5試合に登板し、3勝0敗、防御率2.27と不敗神話を継続している。
「彼は勝ち運を持っている」
「彼は勝ち運を持っている。24連勝なんてそう簡単にできるものではないし、日本プロ野球の歴史で唯一の選手ですから。どこまでやれるかわからないですけど、かなり期待していいと思いますよ」
今年1月にロサンゼルスで自主トレを行なっていたベイスターズの高橋尚成投手は取材の際、田中についてこのように語ってくれた。
4月29日現在、田中はメジャーの舞台でも不敗神話を続けている。4月27日のエンゼルス戦で1点ビハインドで降板しながらチームが逆転勝ちをした時は、この高橋の言葉を痛感させられた。
1995年に全米で一大旋風を巻き起こした野茂は、ゼロからのスタートだった。これに対し、前評判が高い田中の場合、投げる前から相当高いハードルが設定されており、そう簡単にファンを熱狂させることはできないだろう。
だが、このまま質の高い投球を続け、メジャーでも不敗神話が継続していくようなことになれば、自然とファンの心を掴んでいくのは間違いない。