「彼の一番のストロングポイントは、両足でのパス」

――吉田選手はイングランドに移籍した今でも、フェンロでの生活を懐かしんでいます。

「フェンロは小さな街なんですが、日本人の多いドイツのデュッセルドルフまでは車で30分ぐらいですし、マヤは生活を楽しんでいました。ホンダも犬を飼っていましたので、彼も川沿いの道をよく散歩していました。静かに快適に過ごすには、フェンロは本当に良い街だと思います」

――現在、プレミアリーグで日本人初のCBとしてプレーするなか、今後吉田選手が成功する上でカギになるものは何でしょうか？

「マヤの特長は、まずは両足を均等に使えるということです。足元のテクニックに長けたDFだと思います。こういうタイプの選手は、プレミアには少ない。彼が成功する上では、一つの武器になるでしょう。

　またジャンプ力もあり空中戦の強さも備えているので、それをさらに磨いていくことが必要です。マヤはかつてアヤックスやPSVなど強豪と対戦した経験を通じて、オランダサッカーの特徴であるオールラウンドな能力を身につけています。CBだけでなくボランチなどいろんなポジションでもプレー可能な器用さを持っています。そのあたりも武器になると思います。

　もう一度念を押しますが、彼の一番のストロングポイントは、両足をしっかり使ってパスを供給できるところ。その能力をイングランドでもさらに強調していけば、存在感のあるDFになれるに違いありません。

　あとは先ほども話した得点力ですね。マヤはそこも長けている。オランダではDFながら5ゴールを記録したシーズンもありました（'11-'12シーズン）。プレミアはご存じのとおり、オランダやドイツよりもレベルが高い。私たちのクラブからイングランドに移籍したことは理想的なステップアップだと言えます。まだまだ彼はここから成長していくことでしょう」

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