VVVフェンロのクラブハウスに入ると、日本人を見かけたクラブスタッフが、すぐに片言で「コンニチワ」と声をかけてくる。ここには本田圭佑をはじめ、これまで4人の日本人選手が在籍し、現在は日本人スタッフも所属している。遠く離れたオランダの地方都市とは思えないほど、そこは親日ムードで溢れた場所なのである。

　これは、一人のオランダ人の経験と決断によって、醸成されていった雰囲気でもある。VVV会長、ハイ・ベルデン。稼業の物流ビジネスから始まった日本との関係は、今ではサッカーの世界にまで発展し、より緊密なものとなっていった。

　インタビュー第1回目のテーマは、「本田圭佑」についてだった。

　続く第2回目は、本田と同じくVVV出身の日本代表DF吉田麻也について、さらには日本と深い関わり合いを持つ理由についても語ってもらった。

「マヤはホンダよりも典型的な日本人タイプ（笑）」

――本田圭佑選手はある意味日本人離れしたメンタリティであると話していましたが、一方吉田麻也選手はどうでしょうか？

「マヤはホンダよりも典型的な日本人タイプの人間ですね（笑）。ホンダは想像力豊かな選手であるのに対して、マヤは規律を重んじる真面目な選手ですので、2人はだいぶ違うタイプの人間です。マヤにはリーダーシップがある。DFリーダーとして、日本人特有の責任感を生かすこともできています。さらに彼はDFである一方、日本代表でもVVVでも大事なところでゴールを決めてきましたよね。'11年のアジアカップの初戦で、マヤはゴールを決めてチームを救いましたし、W杯予選の北朝鮮戦でも終了間際に劇的なヘディングを決めました。オフェンシブな部分にも魅力のある選手だと思います。

　ホンダは自分の目標に力強く向かっていき、周囲のことには目もくれずに突き進むパーソナリティを持っています。一方マヤは、まず何より人生を楽しむことを優先にしている印象です。自分のサッカーライフ、そしてプライベートライフをうまくミックスさせて、両方を充実させていこうとする選手です。

　マヤが初めてフェンロに来たとき、私は彼を地元で開催されていたポップミュージックのコンサートに連れて行きました。マヤはそれをすごく面白がっていました。そういう行動一つを取っても、彼の明るい性格が表れています」

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