プレミアリーグの時間BACK NUMBER
見逃せない3クラブの優勝争い。
リバプールは残り試合全勝が必要だ!
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty images
posted2014/04/04 10:40
アカデミーからリバプール一筋。1998年にトップデビューした“クラブの象徴”ジェラード。優勝は彼にとっても悲願だ。
断トツの57%。これは、3月29日の夜にBBCのハイライト番組『マッチ・オブ・ザ・デー』で行なわれたアンケートで、リバプールの優勝を予想した視聴者の割合だ。
当日のトップ4はチェルシー、リバプール、マンチェスター・シティ、アーセナルの順だった。
しかし、チェルシーは残留争いで必死のクリスタルパレスとの対戦で金星を献上した(0-1)。マンチェスター・シティとアーセナルも直接対決で引き分けた(1-1)。マンCは、他の3チームよりも消化試合が2試合少ないが、リードを守れずに3位で足踏み。4位アーセナルは、大敗したチェルシー戦(0-6)と、引分けに持ち込まれたスウォンジー戦(2-2)を含む1週間で8ポイントを落とし、優勝の可能性はあくまでも数字の世界での話となった。
そして翌30日、リバプールはトッテナムに圧勝(4-0)して首位に立ち、自ら国民の優勝予想に信憑性を加えた。
スアレスとスタリッジの2トップは得点ランク1位と2位。
開幕当初、昨季7位のリバプールを優勝候補に挙げる声は聞かれなかった。だが本当の優勝争いは後半戦から、と言われる事実を考えれば本命の資格は十分。年明け後の3カ月間はリーグ戦13試合で11勝2引分け。1試合平均2.7ポイントのハイペースで勝ち点を奪いながら、年末の5位から順位を上げてきたのだ。
攻撃志向のチームの2トップは、プレミアリーグ得点王争いをリードするルイス・スアレスと、2位で追うダニエル・スタリッジ。リーグ戦27試合出場で29ゴールの前者は、今季のプレミア最優秀選手の最有力候補でもある。
指揮を執るブレンダン・ロジャーズも、最優秀監督に選ばれて然るべき人物。就任2年目にして、ポゼッション・サッカーへのスタイル変更と優勝戦線復帰の2大目標達成に迫り、その課程では3-5-2、ダイアモンド型の中盤を含む4-4-2、4-3-3、4-2-3-1と、柔軟に複数システムを駆使する戦術面の手腕も披露しているのだから。